mixiユーザー(id:52355057)

2021年12月09日10:02

48 view

義足のボーイ・ミーツ・ガール 47

それから、浜辺に着くと女子三人は服を脱ぎ始める。
さおりんはフリルワンピース、クドーさんは赤いビキニ、陽美々は定番のスクール水着。
大体の予想は当たった。ここでわたしもと言いたいが義足生活に水着は必要なく。そのままの姿であった。
しかし、泳ぐには少し気温が低いので、三人は強い日差しの残る浜辺で寝転ぶ。
「泳げないのが残念だよ」
さおりんは湿気た顔で呟く。確かに、このまま、秋になるのが寂しく感じられた。
「好意の対象、セクシー水着はいかが?」
だから、スクール水着だろ。見た目は地味キャラなのでピッタリとも言えるが、文学少女にスクール水着だと違和感がないのは、全国の文学少女に失礼なのかもしれない。
結局、陽美々の総合評価はスクール水着しか思い浮かばないのであった。
それで、ギャルのクドーさんも予想通りのビキニ、最新のファッションを常に気にしているし、髪の手入れもちゃんとおこなっている。だから、赤が似合うのも本人が分っている証拠だ。
最後に、さおりんは……。
ま、さおりんらしいとしか言えない。

すると、突然、『くぅうう』と陽美々のお腹が鳴る。
「お昼にしよう」
女子がお腹を鳴らせて恥しくないのかと疑問に思うが、陽美々は物欲しげにこちらを見ている。
確かにお腹が空いた。しかし、近くにコンビニすらない。
すると、さおりんが持っていた、大きな荷物を開く。
「サンドイッチだよ、皆で食べよう」
流石、さおりん、料理が得意なのは本当なのか。
「美味しいよ、さおりんは凄いな」
皆はガツガツと食べてサンドイッチは直ぐに無くなる。
うむ、お腹はいっぱいになった。
空を見上げると、まだまだ厳しい日差しに、辺りは潮の香りに波の音……。
海に来てよかった。
「ぽ、ぽ、ぽ、さおりんは仲間と認識した」
陽美々は満足そうに言う。しかし、今まで何だと思っていたのだ?
小一時間、問いかけたいが我慢しよう。
ならばと。
「陽美々はクドーさんのことは何だと思っているのだ?」
「親友だ」
百合的な関係があれば面白いかと思ったがやはり違うらしい。
そんな事を考えながらクドーさんを見ると。赤いビキニが大きな胸を包んでいる。クドーさんの水着姿はセクターだなと思う。
うん?
少し、見入り過ぎたらしく。
「何を見ているのだ?」 
と、さおりんがわたしに問うてくる。
「ま、ま、さおりんに無いモノだ」
少し、正直過ぎたかな。さおりんの残念な胸に比べてクドーさんはボン、キュン、ボンである


4 0

コメント

mixiユーザー

ログインしてコメントを確認・投稿する