mixiユーザー(id:2391655)

2021年06月11日21:55

90 view

神宮スズメの独り言2021春〜60〜これぞベスト8

素晴らしい投手戦だった。厳しい試合だった。采配やジャッジにも異議を言いたくなる場面もあった。だが、それでも気持ちのいい試合だった。


國學院も福大もこれまでの試合はいずれも東京ドーム。互いに今日が初めて神宮。だが、國學院にとって神宮は庭だ。先攻の國學院は初回からその経験値に違いを見せる。

福岡大の先発は九産大九州出身の3年生村上君。國學院の先頭山崎君は外角のボールを逆らわずにライト前に落として出塁。國學院の2番打者川村君は今季東都の首位打者。しかも犠打は2しかない強打の2番打者だ。その初球、ワイルドピッチで走者が2塁に進むと川村君は四球。打席には山本ダンテ武蔵君が入った。

リーグ戦でも5本の本塁打を放ち打率も3位。そして2塁走者が盗塁で1・3塁とした。そこで山本君はショートゴロ。三遊間へのこの打球を福岡大はきっちりと併殺に取った。しかし3塁走者は生還。だが、國學院は続く瀬戸君が安打で出塁し盗塁。2点目は奪えなかったが、先制点を挙げて無走者からさらに得点圏に走者を進めたあたりに國學院の強さを感じた。

しかし、福岡大も負けてはいない。國學院の1年生投手坂口君に対して先頭の仲田君がセンター前に安打で出塁。送って1死2塁というチャンスを作る。しかし3番・4番は連続三振。

國學院は最低限の形で得点し、福岡大は1年生投手に主力が抑え込まれた。

福岡大は3回裏に先頭の9番打者が安打で出塁するも送りバントを國學院の捕手で主将の福永君が2塁封殺。1年生投手を國學院は周りが盛り立てる。

福岡大の村上君も2回以降は自身のペースを取り戻した。拮抗した投手戦が繰り広げられ試合は6回裏に進んだ。福岡大の先頭原君は安打で出塁。3番の櫻田君は送りバント。ここで國學院は坂口君に替えて楠茂君をマウンドに送った。もちろんボクが國學院の鳥山監督に文句を言う資格などはまったくない。だが観戦者として言わせてもらえば福岡大の村上君とがっぷり四つに組んでの投げ合いだった1年生の坂口君には試合終盤まで、そしていけるところまでいってほしかった。

1−0でリードしての投手戦。1死2塁からの登板という楠茂君。東都大学でのキャリアは十分ではあるが、負けたら終わりのこの大会でピンチからの登板。もちろん昨日も途中登板で逆転勝ちに成功しているが、あくまでイニングの頭からの登板だった。楠茂君は力みが感じられたが4番の井上君をファウルフライに打ち取り、5番の長瀬君はショートゴロ。だが、その送球は中途半端だった。1塁手は一瞬の判断を求められる。ベースを踏んで伸びてショートバウンド捕球というギャンブルに出るか、腰を引いて捕球優先にするかだ。

このタイミングならば後者でもアウトを取れるとボクも思った。だが、下がって捕球した安里君は1塁ベースにタッチしようとしたときに打者走者と交錯。ミットに収まったボールははじき飛ばされて2塁走者はホームを奪った。

1塁手のエラー、そして同点。

だが、國學院は8回にチャンスを迎える。先頭の山崎君が四球、エンドランが決まって無死1・3塁で打席には山本ダンテ武蔵君。そうだ、1回と全く同じ場面。

ここでまたこの試合の流れにかかわるプレーが起こる。山本君の打球は詰まったセンターフライ。しかし山本君の長打力を警戒していたセンターは深く守っている。必死に前進してくるセンターと何とかカバーしたいショート。福岡大のセンター仲田君はダイビングキャッチに成功し山本君はアウトとなるが、3塁走者はハーフウェイと取っていた。タッチアップ態勢をとっていれば楽に生還できた。さらにそのボールを追った福岡大の永江君が倒れていた。2塁塁審と激突したようだ。

永江君は治療を行いその後守備位置についたが送球練習で1塁送球などはままならず結局退いた。右肩の負傷がひどかったのだろう。

治療や練習に5分近く時間を取った彼はその時間の提供を許してくれた國學院大學ベンチに頭を下げながらベンチに帰っていった。福岡大の主将としての素晴らしい立ち振る舞いだったと思う。

しかし、福岡大のピンチはまだ続く。瀬戸君の打球は1塁ゴロで2死2・3塁として打席には國學院の主将福永君。彼の打球は三遊間に飛ぶ。うまく処理したのは負傷退場した長瀬君に替わって2塁からショートに回っていた櫻田君。彼の送球はライト側に逸れる。ライン上までミットを伸ばして捕球した福岡大の1塁手本多君。タイミングはアウトだったとは思うが、脚は1塁ベースから離れていたように見えた。そしてライン上に身体を伸ばした本多君と打者走者の福永君は交錯して倒れこんだ。

ショートゴロの送球が逸れた。その処理において1塁手はベース上で打者走者と交錯した。打者走者とぶつかって捕球したボールがミットから吹き飛んだ國學院。ベースから離れているかに見えた福岡大。もちろんビデオ判定などはない大学野球だ。それでも彼らは気持ちよくプレーした。結局は延長タイブレーク。

國學院の9番に1年生代打を出して送りバントを成功させ1死2・3塁からショートゴロ本封と素晴らしい当たりの1塁ライナーで攻撃を終えた國學院。その裏、福岡大はこちらも9番の中村君が送りバントを決めた。だが、このバントは3塁で刺せたものだった。捕手なり1塁手なりがサードと叫べば投手の楠茂君は躊躇なく投げただろう。

そして1死2・3塁からの仲田君の打球はこすったようなあたりで変な回転がかかっていたのだろうか。國學院のショート山崎君はその打球を後ろに逸らした。3塁走者が帰った。

國學院の1点は無死1・3塁から併殺の間に挙げたもの。福岡大の2点はともにエラーによるものだ。だが、その失点は誰も責められない。素晴らしい集中力を見せた両チーム。ともにベスト4に進出してほしいようなチームだった。



2021年6月10日 第70回全日本大学野球選手権 準々決勝(於 明治神宮野球場)
國學院大
100 000 000 0 = 1
000 001 000 1x = 2
福岡大

1 0

コメント

mixiユーザー

ログインしてコメントを確認・投稿する

<2021年06月>
  12345
6789101112
13141516171819
20212223242526
27282930