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2021年05月05日21:07

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不定期不連続物語「蟲五郎幻行録」その506

【端午】
今日は端午の節句である。
サイケデリカルなワンダランドの住人、蟲五郎たちにも無縁ではなさそうだ。
三郎太は好物のアダンゴ(アダンの実をすりつぶして丸めこねた団子)ではなく、柏餅を食っている。
だがあんこはあまり好きでないと見え、傍らでいつものように大麻吸引中の蟲五郎へ渡す。
毛だらけのハサミ脚からその煮つぶし小豆を受け取った蟲五郎は、それを三個に分けて皿に置きニヤニヤしている。
何と言うかそれは、実に滑稽で不気味な場面であった。
日頃の簡素な装いと全く異なる鎧兜のいでたちと、そのニヤニヤとがどうにも相性がよくないのだ。
散歩中のすねこすりと白うねりが、驚いたような顔をして立ち止まる。
皆川おさむ少年に抱かさった黒ネコのタンゴが、じっと見つめている。
そして上空には、キノコ入りジャンボがんもサンドをしこたま食らったダンボが、ゆるやかに旋回しているのだった。
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