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2021年04月28日14:52

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たい焼きと少女 3

無事に携帯番号の交換を終えるとみゆきはソシャゲーを始める。
「ワトソン君、フレンド登録してくれないか?」
知らないゲームを外でダウンロードするのは抵抗があるな。
ここははっきり断ろう。
「そうだな、最近のソシャゲーはコミュニケーションが無いから、意味が薄いので……」
それでも、上機嫌のみゆきはソシャゲーを終えると電子手帳を取り出して英語の学習に入る。
学年下位の俺にはとてもハードルが高い事である。
よく見れば特進クラスの教科書である。
長文の難解な単語の説明が英英辞典になっている。
要するに英語の単語を英語で説明しているのだ。
もう、ワトソン君で十分な気分になってきた。
俺はそーっと保健室からの脱出を模索していると。
「ワトソン君、わたしは一年以内に死ぬのだよ。俺の胸の中で天に召されれよとか言わないのか?」
うむ、恋愛経験ゼロだと予想がつくセリフであった。
「頭をナデナデでいいか?」
みゆきは顔を真っ赤にして否定する。
やはり、恋愛経験ゼロだ。
試しに頭をナデナデしてみた。
あれ、飼猫のように気持ちよさそうだ。
それから突然のことである、顔がヤカンの様に湯気を上げて撃沈する。
何か電線がキレたらしい。
ここで死なれては寝起きが悪い。俺はみゆきを保健室のベッドに寝かせる。
タオルを水に濡らして顔にかけると。
「ぶぶぶ、殺す気か!!!」
おっと、口まで覆ってしまった。
ま、慣れないことはするなだ。
俺は保険の先生に後の事を頼むと外に出るのであった。
『ワトソン君』か……。
少し変わっていたが可愛い少女であったな。
俺は教室に帰る途中でみゆきのやっていたソシャゲーをダウンロードしていた。

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