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2021年04月22日15:21

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砂粒のような恋心 12

ルカさんはバスケ部の練習に立ち合い。
声を上げていた。
キャプテンとして復帰も間近であった。
わたしはマネージャーとして遠くから見守るだけである。
あの熱いキスも嘘のようである。
完結したカミガリの物語を渡すと無言で原稿が帰ってきた。
消えてしまった翼乙女の代償であるかのごとくであった。
人生は選択肢の連続で間違えることがある。
わたしは間違えたのかもしれない。
でも……禁断の愛に悲しい別れは付き物だ。
そう自分に言い聞かせていると今日の部活が終わる。
ルカさんが一人になる瞬間を狙って微修正した原稿を渡す。
「短編賞に応募しようと思うの、ルカさんの意見を聞かせて」
「あぁ、僕で良ければ力になるよ」
しかし、その声はかつてのルカさんではなかった。
このまま、ナイフで刺して、また、病院送りにしたい気分であった。
ふ〜、ヤンデレの妄想から我に返り、ルカさんに抱きついて良いか聞く。
「ここでは目立つ、校舎裏まで行こう」
校舎裏の林に行くと。
わたしは後ろから抱きつく。
「ルカさんはルカさんでいて……」
「そうか……僕は入院中と違うのか……」
わたしは無言で頷く。
「なら、変わるのは、お互いにしよう」
ルカさんは静かにわたしに提案してくる。
わたしが変わる?
「アリシアの様にきらめく存在になることだよ」
それは可能性の問題であった。
凛ときらめく女剣士の心構えである。
……わたしは……。
それは不可能でない可能性である。
ルカさんとわたしの物語は始まったばかりだ。

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