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2021年04月16日14:50

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砂粒のような恋心 7

神々は残酷である。腹が空けば子供でも容赦なく生気を吸い取る。
生気を吸い取られた子供は大人と同じように多くが自ら命を断つ。
ただ、違うのは子供の自殺は社会的に不安定を起こすことが多い。
自殺した子供の親はヒステリックになり、カミガリに八つ当たりをしたりする。
そう、正確にはカミガリは複数いるがアリシアのように暗黒の力を使う者は少ない。
街を守る程度の傭兵てきなカミガリが多いのであった。
力の代償として絶対的な孤独など失うモノが多いからだ。
暗黒剣など特殊な武器を使うカミガリは数えるほどである。
アリシアも孤児院の仲間に会いに行きたいが血に飢えた暗黒剣がそれを許さないのであった。
……。
わたしはこの文章をルカさんに見せるか悩んでいた。
アリシアの孤独はわたしの孤独の写し鏡であったからだ。
友達の居ない毎日は執筆活動しかない。
そして、アリシアと翼乙女の二人が死んでしまう最後を考えていたからだ。
でも……。
最後は変えられる。
ルカさんが望めば何かハッピーエンドで終わらせる事もできるかもしれない。
今日は足取り重くルカさんの病室に向かう。
「こんにちは」
「あぁ……」
「どうしたの?」
「検査結果が出てね、動かない左足は重度のストレスによる神経麻痺らしい」
重度のストレス……なんでも簡単にこなしてしまうルカさんには考えられない症状であった。

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