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2020年09月10日14:58

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神様もう少しだけ 11

つぐみは自習スペースから出られるベランダにいた。
「わたし迷っていたけど言うわ、撫子さんにまたナデナデして欲しいけどダメかな?」
ナデナデか……つぐみは飼猫のように物欲しげな姿でこちらを見ている。
何が最善の選択だ?このまま、つぐみから逃げるか?
長考の末に、やれやれ、わたしにはナデナデの道しか無いらしい。
わたしはつぐみに近づくと手を伸ばす。
独特の髪の感触を味わいながら頭をナデナデする。
こんな現実でいいのか?と深く考えながら手を動かす。
「撫子さんのナデナデは最高だよ」
つぐみは笑顔で寄り添ってくる。
何時からだろう?つぐみの居る生活は?
簡単な計算ができないでいると。
正美がやって来る。
「幸せそうね、わたしにもナデナデしてくれるわね」
見られていたか、わたしは本能的に危険を察知してつぐみから離れる。
「何の事かな?」
ここは白を切る事にした。
「わたしにはナデナデしてくれないのね」
「あぁ、しない」
「なら、わたしがムニューっとするわ」
正美はわたしの背後に回り両手でムニューっとしてくる。
苦しいかと思えばそうではない。
愛に飢えているわたしの心をギュッと掴むものであった。
正美がわたしから離れて勝ち誇っている。
わたしはいったい何をされたのだ???
心が正美に彩られていく。
つぐみはそんなわたしを見てまた何処かに去っていく。
振りだしか……。
しかし、本当にわたしは友情に飢えている。
正美のムニューっとにこんなにもいとしくなるとは。

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