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2020年09月07日06:08

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犯人探しの映画に3時間かけるのは長すぎる。マイケル・キーラー監督「私立探偵ストライク カッコウの呼び声」(2017)。

スターチャンネルで放送したHBOの探偵ものシリーズです。シリーズものは、物語が延々と続くから基本的に手を出さないつもりでしたが、スカパーのセレクト5で見るべき作品が少なくなったことで契約を止め、同時期にレンタルDVDも借りたい作品があまり無くなったので止めたわけです。ということで、ほんの出来心で手を出してしまいました。お奉行様、お許しを。

普通なら、第1話を見ておしまいにするのですが、今回はタラ・フィッツジェラルドが出ていたので、3話まで見てしまいました。それにしても、一つの話を3話に引き延ばすというのはいかがなものか。僕の常識では、探偵ものなら1時間で終わらせろと思う訳です。シリーズものだから探偵をめぐる人間関係を理解させるために、2時間までは許す。しかし3時間になると、もっと別の興味を観客(僕のことです)に与えるべきだ。

このストライクという探偵(トム・バーク、知らん知らん)が、アフガニスタンで左足を無くしたという設定です。ところが義足だという部分を感じさせる場面と、普通に歩いている場面とが混在するのでバカバカしくなりました。貧乏探偵なのに、秘書が辞めてしまったから派遣会社から雇います。こうしてロビン(ホリデイ・グレインジャー、何本か見てるけど覚えとらん)の登場となる。

とりあえず、人気ファッションモデルのルーラ(エラリカ・ジョンソン)が“自殺”して、それを不審に思った義兄が、弟の友人だったストライク探偵に真相究明を依頼するという話です。華やかなアイ・キャンデーが登場したと喜んでいたら、さっさと“自殺”するわ、私立探偵の知りあいの一家の話だわ、あまりにも探偵ものとして安易過ぎるんじゃない?

僕は一時、女性探偵もの小説に入れ込んで、キンジー・ミルホーンや、検視官ケイ・スカーペッタを読みあさったことがあります。当然ウォシャウスキーにも手を出したのですが、あれはイタリア系だからか親類の話が多すぎます。検視官の場合は小説に表れるのは、日常的に多くの死体を扱っている中の一部だから奇異に思わないのですが、一般の探偵だと作意が前面に出過ぎると思うのです。

今回も、仕事がなくて金に困っている探偵が主人公なので、そこへ事故死した親友の兄から依頼がくるというあたりと、義足の感覚がいまいちうまくないのとがダブって、第1話で止めようかと思いました。しかし、タラ・フィッツジェラルドが見たくて、つい3話全部見てしまったわけです。お奉行様、お許しを。もうしません。

そういえば、最近もタラ・フィッツジェラルドを見たのでした。Netflixの「キング」。酒場のマダム(おばさん、ですね)を演じていました。今回は富豪夫人で、水着姿まで披露します。見ている僕は疲労します。←でもうれしがっている自分が情けない。

メイン・タイトルで製作総指揮として、「ハリ・ポタ」の原作者名が出たわけです。そしたら、あのおばさんが変名で書いた私立探偵ものが原作なんだって。ちょっと名前が出たからって、すぐ変名を使いたがる人、いますよね。

かつてオリジナル・ビデオが流行ったとき、一時代を風靡した歌手が製作にあたることになりましたが、販売戦略としてそれを前面に出さないようにしようと考えた会社がありました。それを進言したら、ご本人は不承不承受け入れたらしい。販売会社は記者会見し、そこで“あの歌手が製作者だったのか”と驚かせるつもりだったわけです。しかしスター歌手が考えた変名が、華族もしくは由緒ある名家を思わせるコテコテの氏名で、記者会見前にバレてしまい、せっかくの名案がおじゃんとなりました。

今回も、「ハリ・ポタ」で当てたローリング女史が、自分の実力を試したのでしよう。僕は小説は読まないから、どうでもええ。むしろ彼女の名前が出ていたら、見るんじゃなかったと思うだけ。後の後悔、先に立たずですわ。

それにしても、HBOとかNetflixとか、ケーブルや配信のおこぼれ作品(彼らが商売した後テレビに売り渡すわけです)って、手を出すものではありませんね。DVD−R1枚に3話収録できるから録っておくか、それとも100円ちょいのディスク代(DLだから)をケチって消してしまうか、大いに(?)悩むところです。

ケーブルテレビが進出したときHBOは、映画館だけを相手にしている会社には作れない意欲作をいろいろ作って楽しませてくれました。同じことがNetflixにも言えます。アルフォンソ・キュアロンの「ROMA ローマ」や、スコセッシの「アイリッシュ・マン」が見られました。アマゾンだって、ウディ・アレンの新作を作ってくれた。

でも、そういう作品は、よくて年に数本です。その数本のために月々視聴料を払うよりも、半年か一年に1か月契約して、一気に見ればすべて終わる。僕は経済的な事情から、そういう方向にシフトしています。そういう意味で、毎週のように二本立てで映画を提供していた時代って、すごいことをやってたんですね。

それをあたりまえのようにして育った僕は、そのころの水準が常識なので、質の落ちた映画を見せられたらたまりませんねん。てなわけで、「ハリ・ポタ」で大儲けしたおばさんには、一家が安泰に暮らせてよかったねとひと言かけて、今後お近づきにならないようにしたいと思います。
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