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2020年09月06日08:19

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神様もう少しだけ 8

「わたしは『ヒューマノイド』です」
送られて来たのは人間そのものであった。
VRのゴーグルをしてヒューマノイド目線になるだけで難しい操作は必要ない。
わたしの名前はつぐみ……今日から高校生だ。
でも、本当は中二の引きこもりだ。
学校に行かなくなって一年、軽いゲームのつもりで始めたのが『ヒューマノイド』プロジェクトであった。
このゲームは暇な人なら誰でも参加できて、友情100%を目指すのであった。
高校の教室に入ると活気に満ちていた。
『推薦、推薦』
あの女子が、わたしの友達候補か……。
少し怖いがAIの自動会話機能を使ってと。
「こんにちは」
「あ?あぁ?」
「撫子さん、勉強を教えてくれるかな?」
明らかに面倒くさい様子である。このAI大丈夫かな……?
「できたら、ナデナデして欲しいな」
目的の女子と会話が始まるが何故『ナデナデ』なの!!!
ヒューマノイドの性格を少し変えよう。
『設定は自動モードです。性格の変更はできません』
わたしみたいな、コミ障害はAIの自動モードでないと、会話もできないし、仕方がない。
そして……ナデナデが始まる……。
凄い、ナデナデされているのはAIなのにわたしがナデナデされている感じだ。
『初期イベント終了。貴女はこのヒューマノイド・プロジェクトに適合しています』
適合か……どうやら、このゲームをタダでこのままプレイできるらしい。
わたしはゴーグルを外してヒューマノイドを完全自動モードにする。
友達か……あの撫子さんにわたしが中二の女子だとバレても友達でいてくれるかな……。

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