神様もう少しだけ 6

わたし達はフードコートからガチャガチャのコーナーに移動していた。
「『考えるネコ』が欲しいよ」
つぐみが張り付いたのは、今、ネットで話題のキャラクターである。
もふもふな体に考えるポーズである。
つぐみは小銭を使いガチャガチャを始める。
「うおー『ムンクなネコ』しか出てこない」
三つ程、『ムンクなネコ』が溜まるとつぐみの小銭が尽きる。
わたしが代わり、ガチャガチャを回すと『考えるネコ』が出るのであった。
勿論、つぐみはキラキラした眼差しでこちらを見ている。
「欲しい？」
「うん……」
わたしはつぐみに『考えるネコ』を渡すと『ムンクなネコ』と交換する。
『ムンクなネコ』はネコがひぃーしているだけである。
うーん、普通にいらないのであった。
せっかく、つぐみから貰ったのだ、大切するか。
「千円を崩してもう一回程度まわしたい」
面倒くさいがここは止めよう。
「なんでだ、撫子の『考えるネコ』が無いのに……」
どうやら、ペアでバックにつるしたいらしい。
気持ちは嬉しいが多分、一回では出ないと思い。
「わたしがもう一度回すからそれが最後だよ」
そう言って、わたしがガチャガチャを回すと『ゴッホなネコ』出るのであった。
有名な自画像がネコの顔をしているのである。
「これはシークレットレアだよ」
良くわからないが珍しいネコらしい。
わたしは『ゴッホなネコ』をバックにつるして移動することにした。
しかし、つぐみと一緒にいると時間の経つのが早いなと感じるのであった。