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2020年08月24日14:52

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凛と夕菜の生きる意味 8

わたしは隣の神社の神主のおじさんに話を聞くことにした。
「何故、わたしに生贄になった記憶があるのですか?」
神主のおじさんは真剣な面持ちで話し始める。
「時間軸のすれ違いです」
わたしは大きく首を傾げる。
「昔の夕菜さんが生贄になった時間軸と凛が生贄になった二つの時間軸があり。凛が生贄になった時間軸がこの世界で子孫である夕菜さんが存在するのです。多分、昔の夕菜さんが生贄になった時間軸が近すぎた為に夕菜さんに生贄になった記憶が残ったのでしょう」
あん?
理解できない……。
SF用語の時間軸とか意味不明だし。
「ここで大切なのは今回も二人のうちどちらが生贄になるか不確定なのです」
つまりは、まだ、わたしが生贄になることがあると言うのか……。
それだけは理解できた。
さて困ったぞ、わたしが逝く展開もあるのか。
秘書の黒メガネは嘘かホントなのか不明だが麻酔で気持ちよく逝けるとか言ってたな。
そもそも、誰に決定権があるのだ?
やはり、凛か……。
わたしは自室に戻り凛に逝きたいか聞いてみた。
「わたしは永遠に生と死を繰り返すのです。この世界で生き延びても、また、死が待っています」
あ、そう……。
なら死んでもらうか。
違う、違う、違う、いくらB級小説でも凛を死の輪廻から解放する方法を探さないと!!!
わたしは難しい事を無い頭で考えてみる。
そうだ!!!
すべての凛を開放する願いをかけて、わたしが生贄になればいいのだ。
凛は驚いていた。
その願いが叶うかと言うよりも、自分の為に死んでくれる存在がいることである。
「そうね……逆にしましょう。この凛であるわたしが、すべての凛を救うと願いましょう」
……。
決意表明か……わたしの負けだ、この世界の凛は最後の生贄になるのだと思うのであった。

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