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2020年05月16日13:52

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S.S〜絶対正義〜 9

わたしは自販機の前で考え込みます。
どろり濃厚プリンジュースかスカッとサイダーに迷うのです。
真ん中を取ってミルクティーにしました。
勢いよく飲んでいると甘さが口の中に広がります。
不意に通りがかりの女子生徒と目が合います。
脅えた様子の女子生徒に挨拶します。
「『絶対正義』の人だ!」と叫んで逃げていきます。
わたしの代名詞が『絶対正義』であることは喜ぶ事なのですが、
何故逃げる?
こんな時代だから『絶対正義』が万人にウケるとは考えていませんが逃げる事はないでしょう。
わたしはブツブツ言いながら、美化部の部室に戻ります。
「ただいまー」
「ずいぶんと時間がかかりましたね」
輝夜さんが心配してくれました。
「どろり濃厚プリンジュースかスカッとサイダーに迷っていたのです」
「真ん中を取って抹茶ソーダなどどうです?」
輝夜さんは真面目な顔をして答える。
わたしの真ん中を取ってミルクティーも謎だが抹茶ソーダもかなり謎だ。
「え、ぇ、まあ、ミルクティーにしたよ」
たどたどしく返事を返すと輝夜さんは古い書物を開いて読み始める。
そうだ、課題をこの部室で済ませるつもりであった。
幸い、白花もいるし。
わたしは白花の前ではプライドなどなく、基礎の問題でも解らなければ聞くのであった。
それから、課題が終わると輝夜さんが校内のゴミ拾いに行きたいと言います。
ここは美化部でした。
美化部の活動を見ようとわたしも付いて行く事にしました。

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