朝ごはんを食べ終わって1時間後、近所のガソリンスタンドへ灯油を買いに行った。往きは冷え冷えとした曇天だったのに、帰りには陽が射し始めた。一日一回、闘病中の友人にメールを送る、ないしは先方から届く。今日は機先を制して「灯油を買いに行って手持ちのポリタンク3つが満タンになった。コメよりも灯油の備蓄のほうが寒がりのぼくには安心です。副作用がひどくならないよう、部屋を暖かくしてね」といったメールを送ったら、間髪入れず返信があった。
「いま、コーナンで灯油を買っているところです」
ユングのシンクロニシティ(同時性の法則)か。
今日は午後から雨だと思っていたのだが、五月晴れのような空だ。
昼ごはんは讃岐うどん。近所に住む香川県出身のおばさんからの頂き物だ。高校の学食や宇高連絡船の立ち食いうどんでも美味しいくらいなので、それより一級グレードの高い讃岐うどんは極上の味だ。
昼食後、すでに半分の峠を越えた『熱源』を読み出した。途中、休憩代わりにYouTubeで「トンコリ」(アイヌ伝統の琴)や「60の歌声」(
https://www.youtube.com/watch?v=Un05KNjlUaQ&list=LLJvGSFqqEuqhFGL1NlGKDGA&index=2&t=0s)という歌を聴いたりしているものだから、なかなか進まない。
午後3時前に宅配便が届いた。開けてみると京都の珈琲専門店の珈琲豆詰め合わせで、送り主はニフティ時代に縁ができたお姉さん(推定年齢80歳)だった。風の噂で私の入院を知ったらしい。
「チコちゃんに叱られる!」(見たことはない)みたいな恐縮を覚えた。いや、すみません、なんとか生きてます。
ネット注文だからカードは入ってはいないが、「ボーっと生きてんじゃねーよ!」という声が聞こえてきた。私は常に、自分に対してやましさを感じている。なんでだ?
開封したらこれが京都の老舗らしい絵柄のパッケージが5つ綺麗に収まっていて、飾っておきたいくらいだった。
一つひとつ手に取っていたら、ヤマトのメール便で恩師主催の歌誌が届いたので、すぐに開封し、まずは先生の歌や一文を読んだ。
いや、まずは珈琲ギフトの礼状を書いて出すのが先決だ。
少し厳粛な気持ちになって書き、散歩を兼ねて郵便局へ投函しに行った。
自宅に戻って郵便受けを見ると、お見舞いのカード、寒中見舞い1枚、エネオスカードからのお知らせの3通があった。
エネオスカードの封筒には個人加入の「介護保険」案内で、脅すような文言が並んでいる。介護費用は国の介護保険では到底まかなえないとか、民間介護施設の入所料金は高いとか、なんとなく知ってはいるものの、64歳という年齢にあっては微妙に近くて遠い未来だ。とりあえずこの申込用紙を保管しておこうか、と一瞬思ったが、捨てた。ボーっと生きてたい。
そうこうするうち、夕方のニュースを見る。
阪神大震災から25年。長田区の燃えさかる火災現場を見ていて実感は伴わないものの、災害に対する心の備えを怠ってはいけないことと、他人の命を(自分とは関係ないなどと)軽く見ないことの2つを肝に銘じなきゃ、と思った。今日の大事なことはこれに尽きる。
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