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2018年10月19日22:00

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不定期不連続物語「蟲五郎幻行録」その398

【坂道】
蟲五郎、坂道ゆるり転がり落ちしその物目にす。
いと深く朝霧立ちこめし神無月廿日、とある山中にてのことなり。
ガタピシと軋み音あげしその物、いまだ目にしたる試しなきなり。
アカミミガメのごとき曼荼羅様紋に、その全体覆わる。
真新しき畳にいと似たる光沢あり。
本陣のかがり火思わす炎、点々と纏う。
大きさ、縦横八尺あまりに及び、ほぼ球形なり。
ところどころ苔むしたるさま、歳月経し墓石に似たり。
平たく言うに、怪しきことこの上なし。
かたや三郎太、常のごとき無関心にて、ただ女怪のなま尻撫で回すのみなり。
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