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2018年10月14日23:38

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灯篭仏の話

「甲府商工会議所だより」10月号発刊。
「甲斐善光寺の灯篭仏」を記した。
江戸時代、善光寺の「灯篭仏」の占いが大人気を博した。
像高わずか一寸八分(約5センチ)の一光三尊仏が、灯篭に入れられている。
それを厨子に入れ、持ち上げることで占うのである。
「往生が叶うならば軽くなってください」と念じて持ち上げる。もし軽いと感じたら、
今度は「往生が叶うならば重くなってください」と念じて盛り上げる。
もし重くなれば極楽往生が叶うのである。
もちろん、極楽往生に限らず、現世利益も占える。
甲斐善光寺で期間を決めて持ち上げさせた他、県内各地、さらには江戸にもしばしば出掛けていた。江戸でも大人気で、「東海道四谷怪談」の台詞にも登場する。
序幕で、男が女を口説く場面があり、女が身分の違いを理由にはねのける。
そこで男が「軽いの重いのと、灯篭仏様へ願掛けをしやあしまいし」と捨て台詞を口にする。
これほど人気のあった灯篭仏も明治6年に禁じられ、すっかり忘れられてしまったのだ。


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