mixiユーザー(id:2615005)

2017年07月31日02:39

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サンリオ文庫二冊

久しぶりに日記で一か月完走できた。相棒がミクグッズの堆積を整理してくれたので、探していたパスポートホルダーやステッカーを発見できた。十色使える超歌舞伎ペンライトを持参してマジミラに臨みます。

サンリオ文庫を2冊読んだ。
・コスミック・レイプ(58)作:シオドア・スタージョン
異形の文庫本だ。250ページの薄い本に、サミュエル・ディレイニーの序文が50ページもついている。原書では本編のもとになった短編が併載されていて、読み比べられる趣向だったようだ。その短編は載っていない。変な仕様だなあ。さすがサンリオだ。

寄生型エイリアンが宿主に選んだのは、嫌われ者の浮浪者だった。主人公のクズっぷりと事態の深刻さがミスマッチで、妙に惹きつけられる。エイリアンは群体生物なので、個別に思考する人類を「あるべき姿」に戻そうと画策する。たくさんの視点人物たちはリアルで魅力的だ。が、終盤の意外な展開とそれまでに描かれた人物群像が必ずしもそぐわず、木を竹に接いだようなバランスの悪さを感じる。珍作ではあるが、アイデアのユニークさとキャラの立ちっぷりが、けっこう好きだ。★★★★

・ラーオ博士のサーカス(35)作:チャールズ・G・フィニー
旅芸人とかサーカス団という言葉には、独特の味わいがある。郷愁と異国情緒に猟奇趣味が混じったような甘酸っぱい風味を感じるのは、私だけではあるまい。
サーカス団がアリゾナの小さな町にやってきた。キメラ・メドウサ・人狼に孵化寸前のロック鳥の卵、本物の魔術師。サチュロスとニンフたちのお色気ショーもある。住民たちは驚いたり怖がったり石化したりして、つかの間の非日常を楽しむ。それだけだ。スケッチ風の小説で、ストーリー展開らしきものはない。
中国人の座長を「日本人をけしかけるぞ」と罵倒するシーンが笑える。この時代には蛇と蛙のような天敵と思われていたらしい。今は逆転してますな。あと、未亡人が身もふたもない予言を聞くところは爆笑ものだった。
本物の怪物たちと見物の田舎者の反応がいちいち可笑しく、楽しくて仕方がない。ウミヘビ(サーペント)の人肉食談義も愉快だ。こんな異色作を探してくるとは、当時のサンリオには相当な目利きがいたのだろう。やはり侮れないレーベルではあったのだ。★★★★
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