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2017年06月25日20:59

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玉手箱

サントリー美術館で「神の宝の玉手箱」展。
玉手箱ってのは、浦島太郎で有名なんだが、本当は何が入っているんだろうと気になっていた。
たぶん、化粧道具とか、宝石とか・・・。でも、それでは、開けたら罰せられるという展開がいまいち納得できない。
今回、箱そのものを神へと捧げることにより、より豪華で貴重な作りになっていったと知った。
そこに「願い」が籠められる。つまり、玉手箱とは個人の秘密を抱え込んだものなのだろう。
今でいえば、乙姫様は、連絡ツールとしての携帯電話を渡したのに、浦島太郎は中に入っている個人情報を盗み見ようとして、罰を受けたのだと考えられないだろうか。

などという妄想は置いといて。
今回はサントリーの持っている国宝の玉手箱を修理した記念の展覧会。
全国からいくつかの古い玉手箱が集まっており、この一週間は国宝3つ、重文2つが見られる。
しかもメインの修復の済んだ玉手箱の蓋裏が見られるのは今しかない。
なるほど、螺鈿の輝きと漆のなめらかさによる精緻な模様は、すごい。
ただ、本来もっと細部まで作り込まれたであろう螺鈿がいささか「雑」に見えるのが気になった。
しかし、今回修復に際してCTスキャンが行われその画像も展示されていた。
それを見ると、現状より螺鈿がくっきりしている。今よりずっときらびやかで、そのため、「雑」な印象を受けなかっただろうと想像できる。現代の修復は、制作当時の姿に戻すことではない。汚れを除去するにしてもいわゆる古色も残しながらであり、制作者の意図が十分に生かされるのではないのだ。

他にも、源氏物語屏風や檜扇(ひおうぎ)なども見応えがあった。



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