mixiユーザー(id:7202852)

2017年06月05日07:15

94 view

飛べるかな?(日本編)

昨日に続いて「飛ぶ」がテーマで、今日は日本の天女です。
仏像や仏画にも天女は度々モチーフになります。
今日のカットは、日本画家の竹内栖鳳氏の未完の天井画「飛天舞楽図」の素描(下絵)がモチーフです。図に描かれた6人の中の一人をモノトーン表現してみました。
天女に羽はなく、薄い天衣を纏っているだけです。さらに天女はかなりの肉体美で、それなりの体重があって、少なくとも昨日の天使よりずっと重そうですが軽やかに宙を舞っている雰囲気が漂います。

この下絵は明治の末、東本願寺さんが御影堂門楼上の天井画として、竹内栖鳳氏に制作を依頼したものです。
この絵を描くについて、最終の天井の広と同じスペースの建屋を、図を描くためのアトリエとして境内に建築して製作に挑んだと言われています。また天女のモデルは、栖鳳氏お気に入りのモデルさん(当時、ヌードモデルは珍しい存在)を描いたそうです。天女の浮遊している姿を描くため、天井に鏡を取り付け、そこに映るモデルをスケッチしたそうです。凄いこだわりです。
また、下絵を見る限り、まず一糸纏わぬ裸婦を描き、その上から天衣を描き足しています。レオナルド・ダビンチもその手法で描いていました。
それにしても、外から見えないようになっていたとは言え、お寺の境内の一角で、ヌードモデルさんを描くと言うのは、当時としては(今でも?)かなり大胆な手法だったと思います。
ただ、制作の途中でモデルさんが亡くなったこともあって、天井画は未完のままで終わっています。
もし、完成して今、東本願寺さんで観ることができたら、どんなにか素晴らしいことかと思います。

西洋と日本の「飛ぶ」の捉え方、表現法の違いについて2日にわたって取り上げました。
西洋の「リアル」と日本の「観念」の差、面白いと思います。
そして、日本人の「感性」の素晴らしさをあらためて認識します。
7 2

コメント

mixiユーザー

ログインしてコメントを確認・投稿する

<2017年06月>
    123
45678910
11121314151617
18192021222324
252627282930 

最近の日記

もっと見る