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2017年06月04日23:36

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六義園と東洋文庫

柳沢吉保について話したので、久しぶりに駒込の六義園に行ってみた。ここは吉保の屋敷跡なのだ。吉保の時代からはだいぶ変わったが、今でも池を中心とした広い庭園は見事。この時期はサツキが鮮やかに咲いている。
この六義園、幕末まで柳沢家が管理していたが、その後、三菱の岩崎家の手に渡り、昭和になって東京府に移管された。そんなわけで、すぐそばに、「東洋文庫」がある。ここは、岩崎家の収集したアジアに関する書物を中心に、美術品も所蔵している。そこで「安政の大地震」展。鯰絵と呼ばれる浮世絵をアレンジしたチラシに惹かれて、見物。

「文選集注」(国宝)、「古事記」や「方丈記」などの<災害の記述>から始まるが、文字ばかりなので、あまり面白くない。なぜか、キリシタン版(戦国時代に日本で出版されたキリシタン書、アルファベットで日本語が表記されている部分がある)や、解体新書の翻訳の苦労をアニメにした映像が流されている。
後半には江戸時代の版本や浮世絵。異色なのは、「プチャーチン来航図」(複製)。安政の地震で、プチャーチンの乗ってきた船は下田付近で大破。日本人大工の手によって代わりの船が作られた。
その様子を絵巻にしたのだが、長いものなので一部しか展示できない。全体はデジタル化した映像で自由に見られるようになっていた。
安政地震の各地の被害を一枚にまとめた壁新聞のような摺物、「安政見聞誌」、そして数枚の「鯰絵」。人々が鯰を打ち据えている図柄や、擬人化された何匹もの鯰が<要石>の周囲にいる図柄などである。また、広重の「名所江戸百景」を、復興していく江戸を描くことで人々に元気を与えた、と解釈しているところが、現代的。

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