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2017年05月09日23:26

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超パーティー動画/特撮ミステリ

ニコニコ超パーティーの2014と2016を動画で見た。ゴージャスだなあ。バックダンサーや大量分身など、公式でも見られない大胆な演出に楽しませてもらった。解像度は最近のマジミラに及ばないが、メンバーの豪華さがステージを盛り上げる。公式ミクライブとはまた別の方向性で、ボカロのステージを作り上げている。今までノーマークだったが、食わず嫌いはいけないな。たいへん楽しめた。

とは言え、出かけるにはハードルが高い。私が見たのは40分弱のボカロステージのみで、この十倍近い時間は人間のパフォーマンスらしい。イケメン目当ての十代女子が大量に参加するらしく、まあ私の居場所ではない。結月ゆかりやGUMIがステージに立つのが売り物なのだろうが、私はクリプトン一家だけで満足なので、他社の連中は特に見たくない。別に嫌いではないが。動画チェックで充分かな。綺麗な画像の円盤でも出たら買うが、権利関係が難しくまず無理だろう。

BJさんに勧められた本だ。今回の帰国時に東京の書泉グランデで買った。嬉しいことにサイン本だ。

・追想の探偵(2017)作:月村了衛
たぶん日本初の特撮ミステリだ。「特撮旬報」の編集者神部実花が、特撮作品の謎や空白を追って奔走する。それだけだ。殺人や犯罪は出てこない。が、この物語のなんとスリリングなことか。知性と論理と人情が、不思議の謎を解き明かす。
短編六編を収録。いずれも特撮ファンなら思い当たるモデルが存在するが、融合・変形措置が取られており、はっきりした元ネタではない。安直なマニア狙いのサブカル便乗本とは違う。

『日常のハードボイルド』姿を消した特殊技術者の足跡を追う。冒頭に置かれた本作で世界観とテーマを理解させてくれる。特撮は関係者のその後が不明なことが多く、十年ぶりに出たDVDボックスなどに、「主演の××さんの消息をご存じの方は、ご一報下さい」などと記されていて驚くことがある。主役でそれかよ。それだけでは食っていけない、という事情は切ないが、人生の機微を絡めた知性派ハードボイルドの秀作だ。
『封印作品の秘密』消されたエピソードは、フィルム自体が存在しないという。封印作というと目を輝かす下世話なマニアの邪推を逆手に取ったような見事な謎解きだ。ここまで追いかけた実花もすごい。
『帰ってきた死者』は、ほかと味わいがまったく違う。どう違うかは、ネタバレになるから書かない。
『真贋鑑定人』特撮に付き物のお宝論争が、切なく美しい物語に発展する。『長い友情』は外国人エキストラ、『最後の一人』は撮影スナップの謎を追う。たぶんふたつとも一度もミステリで扱われたことがない題材だ。こういうテーマで本格的謎解きミズテリを書き上げた力量に感心する。

特撮ファンでミステリファンの私には、至高の一冊となった。特撮マニアは言うに及ばず、一般のミステリ詠みにもぜひ手に取ってほしい一冊だ。★★★★★
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