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2016年12月08日23:10

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不定期不連続物語「蟲五郎幻行録」その214

【口紅】
蟲五郎さん、この真っ赤っかな口紅、どおかしら?
あたいのこの、むき海老みたようなプリプリの唇に、よく合ってると思うんだけど。
艶加減だって、ぶり照りっぽくて、いい塩梅でしょ?
この至極魅惑的なリップでもって、魔法使いの内弟子と言われたアイツに迫ってやるんだわ。
過酷な日常ですり減り気味の心を、パアッと桃色に染めてやるんだわ。
まるでウニ飯のような生臭い息を、鼻先に吹きかけながら、ね。
そんなことをされた日には、誰だって無視出来ないはずよ。
ついせんだっても、そのやり口で、あのお堅い海蛇の精をたぶらかしてやったばかりなんだから。
あの堅物さん、よくしなる鞭的な尻尾を、ブンブン振り回して興奮してたわ。
・・・あ、こんなにしてあたいと話してるトコを誰かに目撃されて、あなたが不利益をこうむるとマズイから、あたいもう往くわね。
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