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2016年09月18日21:54

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不定期不連続物語「蟲五郎幻行録」その175

【石くれ】
所詮は皆、石くれみたようにつまらない存在なのだ、と蟲五郎が三郎太に語りかけています。
支配者層にとって何か不都合があれば、即座に切り捨てられる、そんな存在にすぎないということ。
血に飢えたきゃつら支配者層は、ただ滅びへと導くだけ。
右向け右のこんな世の中では、それも致し方のないことでしょう。
誰も彼もが道連れとなって、はかなく滅んでゆく定めなのです。
ごくごく一部で起こる反発の声も、気付かれぬままにかき消されてゆく。
本来あってしかるべき皮肉性すらも。
命綱を握る手からは、どんどん力が抜けるばかり。
それでもどうにかして生き抜け、というようなことを、暗く低く呟く蟲五郎。
放射能焼けでひきつれの出来た三郎太の背甲が、そんな蟲五郎の語りかけに、鈍く光って答えるのでした。
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