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2016年08月17日21:23

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不定期不連続物語「蟲五郎幻行録」その153

【すねこすり】
蟲五郎、三郎太、その足元しきりとすり寄るもの、見れば、すねこすりなる小妖怪。
両名が胸の内、わかろうともせず、ただすり寄るのみ。
蟲五郎、草をちぎりし笛を吹き、追い払わんとするも効果なし。
三郎太、障壁たらんと、どんぶり鉢伏せ置くに、これまた僅かなりとも効を奏するを欠く。
或いは、茹でほぐしたる腐れタニシの悪臭をこそ用うべきか。
または、鵺の口より漏れ出づる、怪しげなる鳴き声にすがるべきか。
さりとて、必殺技、濡れ拳を繰り出す局面とも思われずは明らか。
いずれ先方に受けとる気なきは、いかんともしがたきこと世の常にて。
ここに両名、進退極まりて、ただ腕を組み、首ひねるのみ。
これすなわち夢の国よりの使いと思い捉え、気にせぬことに徹すよりなきかや。
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