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2016年08月15日12:00

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八月納涼歌舞伎

歌舞伎座で八月納涼歌舞伎の第三部を見物。
まずは「土蜘蛛」。能から来た演目なので、能管と鼓で始まる。ここから三味線、長唄へのチェンジが難しい。前半のスローペースと後半の掛け合いのテンポの良さ。その対比が見どころではあるが、前半がかったるい。
三歳になったばかりの勘九郎の次男がデビューするということで、猿之助が番卒につきあっている。土蜘蛛の橋之助は安定しているが、他は皆若手で、太刀持ちの団子、巫女の児太郎らもあまりさえない。橋之助の三人の息子が四天王を演ずるが口跡がいまいち。これで十月の襲名、大丈夫だろうか。
次々と蜘蛛の糸を繰り出すところが見どころだが、もう少しもったいをつけて、さあ出すぞ、という感じで盛り上げるといいのに。

さて、話題となっているのは新作の「廓噺山名屋浦里」。
去年、鶴瓶が新作落語として口演したのを勘九郎が聞き、歌舞伎で上演することを企画した。
主人公の酒井宗十郎は御留守居役を命じられた堅物。勘九郎が得意な役だ。
他藩の御留守居役にからかわれ、次の寄合では馴染の花魁(おいらん)を連れて来い、と難題を吹っ掛けられる。そこで宗十郎は偶然見かけた当世随一の花魁を伴うべく、山名屋へ交渉に。
そこで、鶴瓶の息子の駿河太郎が奉公人を演じている。物おじしないのは好感が持てるが、歌舞伎座の大きな舞台にはやはり無理がある。
花魁はもちろん七之助。よく似合っている。
宗十郎の純情に感心した花魁は、無償で宗十郎の仮の敵娼(あいかた)となる。
他藩の御留守居役は腰を抜かす、といった話だ。
回り舞台を駆使して次々と場面を変えるところもなかなかいい。
細かいことを言えば、当時の吉原の慣習を無視している部分があるのだが、現代人に理解してもらうためにはまあ仕方ないだろう。
最後は花魁道中で終わるが、とってつけたよう。このあたりを少し整理すれば、再演も可能かと思う。
(写真は歌舞伎座のサイトより)
http://www.kabuki-bito.jp/news/3455

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