どうもこんちわ、畳替えはいかがですか?
こちらの畳、ずいぶんと傷んでいるとこを見ると、かなり前に替えたようですが。
いや、何、私はね、この辺りをこうして聞きまわってる畳職人の留吉ってもんです。
まだまだ駆け出しですが、このところようやく畳の何たるかが分かりかけてきたような塩梅でして。
爺さんの形見分けでもらったこの畳針を、懐に持ち歩いてるんです。
爺さんの「朝磨け」という遺言どおりに、今朝もぴかぴかにしてきたヤツを。
それで旦那、ちいと話だけでも聞いてもらいたいんですが、ダメですかね?
え?いや、そんな風にあまりダメダメ言われると、こちらとしても考えがありますよ。
これも爺さんの遺言どおり、「話を聞こうともしないヤツがいたら、この針を鼻に刺せ」って遺言どおりにやっちまいますよ。
それ、えい!・・・・・・お?旦那、あんた上手いことかわしたね。
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