ははあ、それでやっこさん、あんな死に物狂いになってやがったのか。
何だってあんなに苺の部類ばかし食いたがるのか、不思議に思ってたんだよ。
なるほど、あのテのものを食うことで、胃に重苦しい感じがあるのを、少しでも和らげようとしてた、ってわけか。
それにしちゃ、やっこさん1度も薬をくれとは言わなかったようだな。
それどころか、俺が医師を呼ぶ隙に、どっかへ雲隠れしちまう始末だ。
何でも、重苦しさは胃だけじゃなくて、尻、腿、ふぐりと、ほぼ下半身全域に及んでいたようだったが。
原因は、金属加工の際に出る、切り粉の屑によるものかも知れん、とか。
しかしまあ、こんな話をしたせいで、君ともすぐに懇意になれたんだから、こりゃある意味やっこさんのおかげってことにもなるんだな。
もし俺が、夜中の2時頃無粋な電話をかけたりしても、文句を言ったりせんだろうね。
寧ろ、日々素朴過ぎる君の暮らしに刺激を与えた、と感謝されてもいいくらいだと思うな。
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