長いながい梯子をただただ昇っていく。
規則正しく、右左と脚を動かして。
まるで、張り子の虎が、首を振るような愚直さでもって、同じ運動を続ける。
行けどもいけども何も見えてはこない。
いい加減、飽きの来る頃は、もうとっくに過ぎている。
それでも、時おりアミノ酸を口に含みつつ、昇り続ける。
いつかはきっと、あのよく弾むマリモを目にすることが出来るはずだ。
きゃつらのアジトに辿り着き、思うさまその弾力を楽しむことが出来るはずだ。
そのあかつきには、気を失なうほどに熱いやいとを、きゃつらに据えてやろう。
薬漬けのラリ公には、せいぜいそれくらいの楽しみしか、与えられてはいないのだから。
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