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2014年12月04日06:56

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本筋に関係ないトリビアばかり気になってしまった1949年のワーナー・ミュージカル「虹の女王」。

まず題名が「Look for the Silver Lining」です。“Silver Lining”という言葉は「世界にひとつのプレイブック」の原題が「Silver Lining Playbook」だったので聞きおぼえがありました。しかしあの映画を面白いと思わなかったもので意味まで調べなかった。今回調べてみると、(逆境での)希望の光、明るい見通し、という意味だそうです。どうやら雨が降って暗い天気の日に、雲間から陽光が一本さすという、そんな感じの言葉らしい。モンテイ・パイソンの常套句“人生の明るい面を見ろ”と対に使われるみたいです。この映画にも登場しました。

物語は、両親と姉二人が“フォー・コロンビアン”というボードビルのチームをやっている末娘マリリン・ミラー(ジューン・ヘイヴァー)が、16歳になるということで祖父母のもとを離れて両親たちの巡業に合流するところから始まります。おっと違った、ブロードウェーのスターとなったマリリンが、新しい舞台に参加して、その練習初日に頭痛を覚えてホテルに戻ると、出身地から紳士がやってきて懐かしい一家のポスターを手渡し、そこからマリリンの回想が始まるのでした。

僕はマリリン・ミラーという存在を全く知らなかったので、冒頭の高慢なスターが回想シーンでもうすぐ16歳だといって現れ、そこから90分近く回想シーンを続けられたので参ってしまいました。「刑事コロンボ」じゃないんだぜってね。そもそもジューン・ヘイヴァー(写真2)という女優さんを知らないもの。この映画に出ている俳優で知っていたのはゴードン・マクレエだけというありさまです。←ゴードン・マクレエの名前がMac Raeと2ワードになって表示されていたのにびっくり。今ならMacRaeと書きますけどね。←ポスターは1ワードやんけ。

ジューン・ヘイヴァーは二度目の結婚相手がフレッド・マクマレイだったそうです。これを知ると僕は一気に親しみがわきました。おまけに彼女をマクマレイに紹介したのがジョン・ウェインだと聞くとなおさら。そしてマクマレイとの結婚によって引退したみたい。僕にとって“理想の父親”像を見せたTV「パパ大好き」の陰には、この夫人の力があったのかと感慨です。

1949年というと、アメリカでテレビ放送が始まった年です。娯楽の王様である映画が、全世界を席巻していた。まさにその時代を象徴するかのように、歌あり踊りありというサービス満点の構成です。ダンスシーンなど、大きなサウンドステージで豪華に撮影していますよという、作り手側の“誇り”が手に取るように分かります。後にそれがルーチン化してテレビに主役を奪われ、やがてヌーベルヴァーグという新しい波にのまれていきます。そういう意味でこの映画を見ると、また別の興味が出る。

もちろんタップダンスは見ごたえあるし、ミュージカル・ファンなら満足できると思います。しかし僕には窮屈で解放感の乏しい作品でした。とはいえ、CSの無料放送のおかげで見ることができたわけで、CSさんに感謝します。写真3は本物のマリリン・ミラー。
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