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2015年02月09日21:41

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たゆたい

 昼前、毎月8から9日に必ず届く個人はがき誌「八日の便り」を受け取った。第332号だから、出し始めて28年になった計算だ。彼と知り合ったのは5年ほど前だが、知己を得る前に出された「八日の便り」は全部いただいた。ひょっとしたら彼のことは彼より私のほうがよく知っているかもしれない。
 332号の書きだし。

『たゆたい』 「八日の便り」三三二号
 源氏物語を学び、「たゆたい」という言葉に出会いました。意味はものが揺れていて定まらない状態を指す古文です。思えば私の今までは「たゆたい」の状況でした。

 私より10歳年上にもかかわらず、日々研鑽を積まれる姿勢をなお崩さず、昨年秋からはこれから1年かけて「源氏物語」を読んでまいります、と記されてあった。私と知り合う以前から「香道」を先生について学ばれている。「○道」と「道」のつく所作を習得されるのは立派の一語に尽きます、と彼に言うと、「なにぶん先生が美人なので」と返す茶目っ気もある人だ。
 彼を手本にしたいのはそのスケベな一面もそうだが、一生勉強していきたいという姿勢だ。彼は私の手本であると同時に私自身である。今日は昨日より賢くありたい、というのは社会人になって以降、会社員を辞めて以降も、内なる座標だ。私を少しでも知る人全員から「ウソつけ!」とツッコミを入れられそうだが、これが本当の私である。昨日より今日、今日より明日。マックス・ウェーバーが看破したピューリタンの禁欲的合理主義とほぼ同義で、日々の積み重ねという過程こそが希望である、みたいな理想が生まれながらに備わっている。おそらく両親はそんな私を知らないまま亡くなった、残念だ。
 とまれ「八日の便り」は私にとって何物にも代え難い「月刊誌」で、ときどき真似っこもしてみる。香道の美人家元が近所にいたら、という条件付きだが、私も香道を習ってみたい。
 昼になって晴天。青空が広がったら暖かくなった、と感じたところでNTT電話が鳴った。銀行からで、過日の書類で捺印があるべきところを一箇所見落としてしまったのでこれからお訪ねしていいか、という内容だった。今朝、あまりに寒くてラズリの散歩で横着をしたこともあって「いえ、それなら判子を持ってこれからうかがいます、犬連れで」と答える。で、ラズリと一緒に銀行へ。で、受付で担当者を呼び出してもらって判を渡した。ラズリは行員3名から「可愛い」と撫でられ、なにか甘いお菓子でももらえるのではないかと期待したようで、終始、尻尾を振っていた。結局、何ももらうことが出来ず、帰路は心なし元気がない様子だった。ざまあみろ、そうそういいことがあるわけではない。
 家に戻ってきたところで、退院されたばかりのご住職とばったり出会う。
 快復されたことへのお喜びを申し上げ、数分、立ち話をさせていただいた。
 その後ご住職がお堂で勤行されたので、お堂の前で20分近く立って、読経を聞いた。
 日々研鑽。私の周囲には立派なかたがいらっしゃって、いくらでも人生考えるよすががある。環境は申し分ないのだからそろそろ頑張ればいいじゃないか、と私は日々、考えている。
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