日本の油彩画と西洋の油彩画の違い
歴史的な違いがあって、日本がヨーロッパの現地で、実際に学んだ西洋絵画は、市民革命後のパリが主で、イタリアのローマには、あまり行っていなかった。フランス人画家が、ローマに学びに行くのと比べて、日本の油彩画は、パリが出発点となる。つまり、当時は、それ以前の西洋絵画は、あまり重視されていなかったとも言えるだろう。明治期には、最新の西洋絵画というような言い方を良くしていたので、意図的に、パリを選択したのだろうと推察できる。結果的に、西洋絵画の歴史画や、宗教画、神話画などは、日本は、学んでいない。肖像画の需要はあったが、肖像画も、西洋程は、重視されている訳ではなかった。戦争が多かったため、戦争画家の需要があり、多くの画家が、戦争画を描いている。特に、日華事変以降に急増したと言われる。この戦争画は、取り上げられることは少ないかもしれない。有名な画家も戦争画を描いているし、愛国者の画家も多かった。そういう時代でもあったということか。神話画においては、日本の神話をテーマとして描いた絵画は、存在する。若かりし頃の青木茂などが日本の神話をテーマとした作品を描いていた。戦争画を歴史画と言えなくもないが、主な目的は、戦意高揚のプロパガンダだった。宗教をテーマとした絵画もない訳ではないが、日本絵画には、宗教画が存在し、そこまで、宗教にのめり込んだ油彩画は、少なかったと言えるだろう。宗教をそれとなく匂わせるタイプが多いように思える。神社仏閣を描いた風景画などがそうだ。印象派の影響も強く、日本の油彩画画家の多くは、やはり、風俗画に惹かれていった、ということのよう。風景画も人物画も、静物画も、やはり庶民の生活がテーマとして取り上げられた。現代の人物画のテーマとして多いのが家族をモデルとした人物画だ。プロよりも、むしろ、アマチュアの絵画愛好家に、家族をテーマとした作品が多い。これは、素晴らしいことではないかと思う。家族を絵画として残すというのは、これは、大いに意義深いことだろう。家族絵画と言えるジャンルが日本でも、定着し増えている印象だ。子供を描く、孫を描く、など、アマチュアの画家にとっては、本当に重要なテーマとなっている。それだけに、心のこもった絵になることも多い。思い入れが強過ぎるきらいはあるが、テーマとしての生命力は抜群に強くなる。テーマの迫真性が、絵画では重要だ。なんとなく流行っているから描いたでは、弱過ぎるのだ。モチーフに意味を込めるというのも、絵画の制作のポイントの1つになる。
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