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2020年11月23日07:35

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幼馴染と仮想空間の幽霊 3

旧美術室は新しく多目的棟が完成して、今は物置になっている。
このネット時代に幽霊である。
しかし、歩夢先生には心あたりがあるらしい。
やはりパンドラの箱であるらしい。
好奇心で箱を開けて最後に希望だけが入っている箱である。
「なにブツブツ言っているの?」
真奈が階段を上がりながら俺に声をかける。
「そうだったな、強い心の支えがいたな」
こんなに真奈が頼もしいと感じたのは初めてである。
「さて、旧美術室に着いたぞ」
歩夢先生から借りた鍵を鍵穴に入れる。
カチャ
開閉音を確認すると扉を開けと、中は薄暗くホコリっぽい。
「とにかく、カーテンを開けよう」
室内を進むとやはり、人の気配がする。
俺は首を傾げた、これだけホコリだらけなのに気配がするよはいかに?
俺がカーテンを開けると……。
「誰?」
奥から蒼色の少女が現れる。
「こんなにも簡単に会えるとは思えなかった」
俺は思わず口にするセリフであった。
「わたしは『佐野 真奈』だよ真奈って呼んで」
真奈は幽霊を見て泣きだすかと思えば普通に自己紹介をする。
やはり、真奈がいてよかった。
「俺は武蔵だ、先ほど、グランドで見かけてそのクールビューティー魅かれてここまで追いかけてきた」
「素直なヤツだ。わたしは入江、見ての通り実体はない存在だ」
キリッとした言葉に眼差しは曇りなきものであった。
「せっかくだ、友達にならないか?」
入江はあごに右手を持っていき、どうするか考えている様子である。
「あー、わたしも、わたしも、友達になしましょ」
真奈の言葉を受けて、表情が和らぐ。
「良かろう、これから、友達だ」
入江は古い携帯を取り出してもっとネットにアクセスして友達認証をする。

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