mixiユーザー(id:12949847)

2020年05月27日10:42

98 view

今日の本棚564♪



「八月の魔法使い」

石持浅海
光文社


ノンシリーズの長編ミステリ。
役員会議室と総務部で同時に提示された工場事故報告書。
あってはならない文書の存在に混乱が広がる。
切れ者上司、無能な経営陣、会社の論理の中で主人公は文書の謎に挑む。

著者ならではの、サラリーマンが探偵役を務めるロジカルなミステリ。
このロジカルという部分が、あくまでこの社内の論理である、というのが肝ですね。
どんな会社にも独自のルール、独自の論理がある訳で。
内部告発なのか、出世レースの追い落としなのか。
主人公は定年退職間近の係長に導かれるように、文書の謎に挑みます。

社内の論理なんて、面倒以外の何物でもないと思っていましたが…。
人が集団で行動する以上切っても切れない、自然発生してしまうものなのでしょうね。
皆何かしらのしがらみの中で生きていますが、そう考えると私達一人ひとりも探偵としての素質を有しているのかもしれません。



(古)



0 0

コメント

mixiユーザー

ログインしてコメントを確認・投稿する

<2020年05月>
     12
3456789
10111213141516
17181920212223
24252627282930
31      

最近の日記

もっと見る