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2020年02月24日21:33

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太田泰友

Book Para-Site(ブック・パラサイト)。

アネックス展・前期
〜真正と発気〜


本のある風景が好き。
電子書籍隆盛の時代にちょっと、なのですが。


だから、ブルグ・ギービヒェンシュタイン芸術大学で
ブックアートを学んだ、という太田泰友の経歴に

ふうん、ヨーロッパには伝統的に素晴らしい装丁の本があるからね、と
思って見に行ったら。


驚きました。


たとえば手のひらに載るような小型のカードを重ねた本。
傍らのディスプレイでそれを1ページずつめくる映像が流れています。
パラパラ漫画のよう…と見ていると
最後の1ページをめくったあと


本を立てて


花のように開いてみせました。
フォト



「鱒」の本はもっとしなやか。
よって一枚ずつめくったあと
本を立ててゆらぐようにひと揺れさせて開けば
このとおり。
フォト



さらに。


展示室にダイニングセットやソファがあるなと思ったら


ダイニングチェアの背は本
カトラリーが載っているのは本
ソファのひじ掛けは本
フォト



壁に掲げられた作者の言葉から。


「自分らしい本の作り方を意識し始めたころに、ウィリアム・モリス『理想の書物』(筑摩書房、2006年)を読んで、本の世界に心酔した。
「〈芸術〉の最も重要な産物でありかつ最も望まれるべきものは何かと問われたならば、〈美しい家〉と答えよう。さらに、その次に重要な産物、その次に望まれるべきものは何かと問われたならば、〈美しい書物〉と答えよう」…(中略)…
本と建築には共通点がある。本にまつわる名詞には「扉」や「柱」と呼ばれるものがあり、動線をコントロールしながらレイアウトを作りこんでいく点もよく似ている。人間よりも小さく、手で持つことができるのが本で、人間よりも大きく、身体ごと入ることができるのが建築だ。(中略)…大きさは異なるが共に宇宙だ。
2019年以降、私が制作するブックアートに、手に収まらないものが出てきている」


前期は3月15日まで。
ほかに寺嶋綾香、半澤友美の3人で
ausenticdity(真正)&aura(発気)
の世界をつくっています。
https://www.po-holdings.co.jp/m-annex/exhibition/index.html


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