【来客】
蟲五郎と三郎太のもとへ、珍しく来客あり。
かつて改札で切符切りをしていたという、元鉄道職員のM。
高齢になっての猥雑な都会暮らしに疲れ、現代日本を代表するふたりの世捨て人を頼ってきたというわけ。
手土産に大学芋を持参、蟲五郎自慢の品種改良大麻草を所望。
申し出を快諾した蟲五郎、Mがくわえた吸引具に妙薬を次々補給してあげている。
しかし吸引の度が過ぎたか、訪問時に見せていた快活さを失ってゆくM。
現内閣に対する苛立ちを、際限なく増幅させているかのような暗い目つきになっている。
そんな状態で、ひたすらダイヤルを回し続ける。
どうやら現在の彼に対してはマイナスに作用してしまったようだ。
最悪の事態とならなければよいが。
ログインしてコメントを確認・投稿する