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2023年05月16日19:51

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暗い影を落とすメール

 朝ごはん後、日朝近代史に漏れがないかを確認しながら年表を書き改め、大テーマ「なぜ日本人は朝鮮人を蔑視するのか」について、さまざまな研究者の論文を引きながらわかりやすく書いてみた。既に草稿はあるのだが、ほぼゼロの地点から書き直した。
 昼食を挟んで午後4時前、一応の結着。明日、もう一度素の目に立ち返って見直してみよう。今日は運転疲れにもかかわらずよくやった、などと自分に甘い採点を与え、これでiMacの電源を落とそうとしたところで……、メール確認をしたら、闘病中の畏友からメールが届いていた。

 病状についての詳しい話は省きますが、簡単にいうなら体内で同時多発
テロが起き、かなり危険な状態でした。
 癌の進行を診る指標は大幅に改善されているのですが、癌由来の不都合
や抗がん剤の副作用が突然、暴れ出した結果のようです。
 具体的には、体内の浮腫みによる影響大で、❶呼吸困難、❷食欲減退、
❸立つことも当然ながら歩くことも不可 という症状に襲われました。
(中略)
 仮に病状が改善されても酸素ボンベが必要な身体となり、また歩行が厳
しく外出は困難だと思います。
 自宅内では無理なく過ごしておりますが、いまや「介護ベッド」を使用して
おりますし、介護師、理学療法士の訪問介護を受けている次第です。
                             原文ママ

 読んでいると鼓動が高まり、意味がよく掴めない。二度三度読み返した。
 返信するまでに1時間を要した。
 既に日記で書いたが、落合恵子さんの『おとなの始末』に彼女と同世代の友人が闘病の末亡くなった事例を挙げながら、死とは何か? 死ぬ前にやるべきこととは何か? というテーゼを繰り返し考察している。
 畏友から届いたメールを読んで、彼は死を覚悟しているだろう、と受け止めた。私は今日、初めて彼はやがて死ぬかもしれないと思った。宮沢賢治の「永訣の朝」と「慟哭」を思い出したりもした。
 私だって時々、自分の死を前提に物事を考えている。が、明日来月来年にその時期を引き寄せて、自分の始末をシミュレーションすることはない。漠然と、ノーテンキに、死はまだ自分の目には見えない先の未来にある、と思っているのだ。
 返信メールを書きながら、どこまでホンネを編み込み、どこまで綺麗事を並べるか、その塩梅が難しかった。ウソを書いたら見抜かれる。かといって「死」という漢字など使えるわけがない。
 死は、次こそ私の番かなと思ったが、一笑に付すことにしよう。落合さんもどこかで書いていたが、死に対する不安を持っても仕方ないことだ。
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