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2020年08月31日14:32

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神様もう少しだけ 1

わたしの名前は『琴霧 撫子』クラスの中で孤立している。
原因は転勤族の家庭で育ったからだ。
この紫蘇高校にも今年の四月に転入してきた。
小学学生から中学まで1年から2年間で転校していた。
高校も二校目だ。
そんな生活の中で覚えたのが優等生を演じることであった。
予習、復習はもちろん、クラスで皆の嫌がる授業後の黒板消しなど。
積極的にこなしていた。
しかし、それとは反比例して浮くのであった。
基本に近づくな、オーラを出しているので自由ではある。
「撫子さん、勉強を教えてくれるかな?」
なんだ、この馴れ馴れしい女子は?
「数学のこの問題が解けたなら。撫子さんだから、ナデナデして欲しいな」
無駄に敵を作るのも問題だ。
ここは優等生のふりをしてさっさと追い払おう。
広げられた数学の問題にヒントを与えて解くことに成功できた。
「ナデナデは?」
そう言えばまだ名前も知らなかったな。
「ナデナデの前に名前を教えてくれないか?」
「いいよ、わたしは『崎川 つぐみ』だよ」
「そうか、ありがとう。でだ、つぐみ、ナデナデは出来ない。以上」
泣きそうなつぐみを放置して立ち去ると。
いつの間にか尾行されている。
「なんの用だ!」
「ナデナデ……」
この女子はナデナデするまで付いてくるな。
仕方ない、わたしはつぐみの頭をナデナデする。
「えへへへ、気持ちいな」
デレきっているつぐみを見て、少し凍った心が溶けた気がするのであった。

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