病室のカレンダーを指差して、今日で入院5日目と確認。病院にいると日にちの感覚が薄れ、それでなくても曖昧模糊な頭がさらに現実感を失っていく。
朝方、看護師さんが見回りに来る。午前5時、6時と2回。人の気配で半分覚醒し、しかし体温や血圧を測りに呼びかけされるのは午前7時ゆえ、まだ眠っていていい。しかし完全には寝付けない。惰眠を貪ろうとする引きこもり者と相似か。
病院食は文字通り味気ない。が、術後という身体の痛みや違和感が納得いく不自由さゆえ、あらゆる欲が落ちる。したがって、不味い食事がむしろありがたい。
私はクールな性格なので、自己評価が低い。50歳くらいまでは違った。何でも出来る、くらいの万能感があるほどに高かった。人間は、この中間くらいが望ましい。優越感と劣等感に左右されないことが、人間の尊厳だろう。
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