木喰微笑仏

先日、ＴＶで「微笑む仏〜柳宗悦が見いだした木喰仏〜」の番組を見ました。
目標に立てていた1000躯の像を９０歳を迎えた頃に完成させます。
その直後、あと1000躯の像を彫ろうと発願します。
ただ、次の1000躯の確認は難しいそうですが、そのもの凄い気力と気迫には圧倒されます。

ちょうど10年前、偶然に立ち寄った古書店で見つけた某百貨店での「木喰展」の図録を見た瞬間、その微笑仏の虜になります。
早速近隣で所蔵するお寺を探しますが、奈良県内にはありません。
一番近いのは、京都南丹市です。車で２時間ほど走り、陰凉寺で５躯、清源寺で17躯の木喰仏を拝観します。
実際の像に接して、ますます魅力に嵌ります。
戻ってすぐ作品を作り出し、以降約１年間は何かに取りつかれたように木喰仏ばかりを切っていました。
今日のカットは、清源寺さんの十六羅漢像の１躯です。
歯を見せないで満面の笑顔は意外と難しいものです。でもこの像は最高の笑顔で合掌されています。
９０歳から見れば、私など若造です。新たなことへの挑戦はまだまだできること、肝に命じて生きて行かねばと思います。
「もう少し若かったらなァ」なんて言い訳は封印します。