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2015年05月07日21:40

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上野千鶴子に手を出すんじゃなかった

 今日は「残念な日」というテーマで日記を書いてみることにします。
 昨日、アニエスbの腕時計でベルトを交換したら気持ちが弾んだ、ということで、私は味を占めました。ルノー乗り時代にヤフオクで落札した腕時計が電池切れで止まったままだったので、電池を交換してみよう、さらに弾みがつくかも、と考えたのです。それで、自分で交換しようと思いました。ベルトはいい職人さんに交換してもらえた。今度は、人とお金に頼らず自力本願でやってみよう。
 で、難儀しつつも時計の裏蓋を外すことに成功。ピンセットで小さなボタン電池を外し、その型番を控えて駅前のダイソーへ行きました。あらかじめネットでダイソーには置いてある、という情報も押さえていたので、この時点ではもう出来たも同然のような鼻歌まじり。
 しかし事はそうそううまくいくものではありません。なんとその型番の電池のみ、切れていたのです。がびーん。駅前に電機屋はないので、電車に乗って大船まで出かけ、ダイソーかヤマダ電機で探すしかないのですが、これだけのために行くのも面倒になって、結局うちに引き返しました。一気にたたみかけたかったなぁ。
 で、上野千鶴子のエッセイ集『ひとりの午後に』を読むことにしました。
 ものの10分も経たないうちに、買わなければ(読まなければ)よかった、と思いました。上野千鶴子は、日本一理知的で怖い女、というイメージです。これは私のみならず、日本のへたれ男共通の認識でしょう。
 が、上野千鶴子は伝説上のフェミニストではなく、生身の女性です。
 作家を生業にしている人間なら、たとえ私生活エッセイであっても「つくり」がありますし、イメージ戦略もあります。さらに文学的な装飾技術を巧みに使ったり、読者サービス精神を発揮したりします。が、上野千鶴子は学者ゆえ、素の自分を過剰演出するこなくさらけ出していて、子どもの作文を頭がいい還暦女が書いたらこんな感じになる、という「残念な人」になってました。
 この感想は私(及び知的へたれ男)の思い込みに拠る偏見であることは否めません。上野千鶴子がクルマ好きで、しかもスピード凶であると知ったら、なんか自分が抱いていた堅物のイメージとは違うし、美容院での快楽とかペットロスなどという話題を語られてしまうと、妙に俗人っぽくて、上野千鶴子というソリッドな記号の輪郭が溶けだしてしまうのです。考えてみると、上野千鶴子だって和菓子に好みはあるだろうし、「星の王子さまは夕陽を見るのが好きだ」という書き出しで、「夕陽を見ることのできる土地に住むのが夢だった」「歳をとって、引退したら、西に面した海辺に土地を買い、小さな家を建てて住もう……(後略)」という嗜好に問題があるわけではありません。
 つまり、日本一怖い女を演じる「上野千鶴子」をもっと知りたいのであって、あからさまな上野千鶴子は別に知りたくもなかったということがわかったのでした。
 この本を作るきっかけを与えてくれた編集者に複数箇所で賛辞を送っているのだが、こういう内輪話を書かれると、これまたしらける。上野千鶴子このエッセイ集が出来たのは彼のおかげだ、と書いているのだが、まさにその彼のおかげで私のような妄想へたれ男は膝かっくんになってしまったのです。大女優がテレビのバラエティでちょっとお茶目な一面を(あくまで大女優として)披瀝し、ファンの拡大をねらうのは芸能人として必要な営業であるが、上野千鶴子は多額の借金を抱えて自己破産寸前でもない限り、へんなサービス精神は発揮しないでいただきたいと思いました。
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