カマボコの葬儀が行われた。
参列した教授は出棺の際になって、
「しまった!ラッキョウ買い忘れた!」
と鳥取に行った目的を思いだし、今更悔やむも遅く、
他の参列者が思い出の品を棺に入れるのをただ眺めるだけだった。
棺にはリンゴを入れた者もいた。
「そういやカマボコは、ラッキョウとかリンゴとか、甘酸っぱいものが好きだったな」
となつかしむとともに、
リンゴを見て、葬儀に知人の青森人ウィッドネスが来ていないことに気付いた。
「おいつの住んでる青森は新幹線がようやく開通するような状態で、
電気も電話も通ってないから、カマボコが死んだのを知らないのかもしれないな」
教授はそう思うと、カマボコの死を知らせねばならないと考え、
ウィッドネスに会うべく、新青森までの新幹線の切符を手配するのであった。
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次回vol.6は青森行ってUP予定「青森人の失踪」
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