終わり感

「昨日は危うくだったけど、今日は本当に終わりだよ」
「ああ、昨日はアブねえとこだったな。以前は月末以外にも俺たちが出てくることはあったが、そりゃもう何年も前の話だ」
「そうだね。ああいうことはもうないだろうね。ところで、だいぶん終わり感が増してきてるんだけど」
「あ？だから今日で２月も終わり、ってことだろ？」
「いや、そうじゃなくってさ。ある意味もう少し大規模で、っつうかさ」
「ん？何言ってんだかわかんね」
「つまりこの国が、さ。この国の終わり感がずいぶん増してるな、ってこと」
「おう、そこか。それなら俺も感じてるよ」
「もうなんつうか、行くとこまで行っちゃってる感じだよね」
「そうだな、この９年ほどで急速に終息へ向かってる気がするよな」
「毎年のように大規模自然災害に見舞われてさ」
「それでも政府は我関せず。てめえの腹を肥やすことばっかしやりやがる」
「で、その政府は歴代最悪とも言われてるよね」
「ああ、ひでえよ。とにかくひでえ」
「でもそれは政府のせいばかりじゃなくって、そんな最悪政権をのさばらせてる国民にだって原因があるんじゃないかな？」
「そりゃそうだ。政治家を見ればその国の民度が分かる、ってえからな」
「勿論政府の片棒を担いで、のさばっていられるように仕向けてるマスメディアの罪も重いけど、それだって国民が突っ込まないから、とも考えられるよね」
「ううん、なんつうか実にうまいこと飼いならされてるよな。きゃつらの思うつぼだ」
「まあそんなところへ持ってきて、今回のこの騒動」
「コロナか」
「そう、それがいよいよ決定打をぶち込むんじゃないか、ってさ。そんな気がしてきたんだよね」
「どうやら経済的にかなりヤバいことになりそうだからな」
「いずれにせよ大転換期を迎えるんじゃないかな？３０００年に一度の優曇華があちこちで咲いてる、って言うし」
「まあある意味この国は、少なくとももう一回ぐらいドン底見ねえと変わらねえだろうな」
「ホントのドン底、だね。そうなっても変わらない気もするけど、一回再起動した方がよさそうだよね」
「てことはこれが最後になるかもしれねえな」
「そう、終わりはそう遠くない気がする。早く次が来ないかな」