触れあう指が離れていく「じゃぁまたね」「うんまた…」この日が最後だと解っていたのに引っ越しの朝あなたを乗せた車を追いかせて走り出す最後に伝えたかった言葉を呑み込んだまま月日は過ぎた
夕暮れ近づく公園の僅かな草むらから聞こえる虫の声気づけば蝉の声も静まり過ぎようとする夏にようやく気づくもう何度同じことを繰り返してきたのでしょうかまたあなたの居ない寂しさまでも蘇ってしまうのに
ホームへ向かうエスカレータースレ誓うエスカレーターから微かに流れたシトラスの懐かしい香り記憶の中のあなたを思い出す季節は幾度も過ぎてしまったのに
夏から秋へ盆が過ぎた夏の夕暮れひぐらしの鳴き声を聞き歩く街路樹夏の陽射しも心持ち柔らかく吹き抜ける風のここち良さやがて訪れる秋の気配
地上の人間を愛し声と引き換えに地上の娘となったあの《姫》のように…大空を舞う翼があるならば何と引き換えにすれば良いのでしょう
foryouあなたが連れ出してくれたから私は飛び出せたもしも…会うことがなかったらひとり迷いいつまでも佇んだままだったかもしれない〜ありがとう〜
あの時伝えたかったこの街をあなたが出て行く前に…あれから夏が来る度に今でも思い出すどうして言えなかったのかともしも伝えていたら現在(いま)の私は変わっていたのでしょうか
泣くことも出来ないでただ側に居るなんてどんな顔で居ればいい?化粧と言う仮面を付けて微笑んでいるなんてまるで道化師のよう
おやすみなさい。夜が満ちて来ました潮のように。ひとりひとりは空に浮かんだ地球の上の小さな島です。朝も 昼も 夜も毎日何と遠くから私たちを訪れまた遠ざかって行くのでしょう。いままで姿をあらわしていたものがすっぽり海にかくれてしまうこともあるよ
さりげないその言葉が氷の棘を少し溶かしてくたれことそして生まれた温かな感情も誰にでも優しいあなたはきっと気づいてはいないでしょうね
誰かに愛されるより自分を愛せない事ほど悲しいものはないだからいつまでも愛が解らないそしてまたそんな自分に愛想をつかす