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2015年10月19日20:00

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独立展&二紀展

今日、例年の恒例行事と化しつつあるような感もありますが、国立新美術館にて独立展(*)と二紀展を見てきました。

(*)http://www.dokuritsuten.com/83/index.html

※二紀展については今回の展示についての主催者のサイトがまだありません。

独立展は、今から40年ほど前、ひょんなことで独立展のある会員の方(Sさん)と間接的に知り合って、それ以来、毎年ではありませんが、飛び飛びに、しかしこのところは毎年、見に行っています。Sさんの作品は、かつてもこの日記に書きましたが、自己模倣もここまで来ればひとつのポリシーと言えるかも知れぬというような、ひたすらコバルトブルーの山河の世界で、こうなるとなんともわたくしの評の範囲を超えているような感もあります。

かつては独立展だけを見ていたのですが、近年、同じ会期で開催されているお隣の二紀展も見るようになりました。短歌人のお仲間のYさんとSさんのおつれあいが、期せずして二紀展のメンバー、とわかったのがきっかけでした。

Yさんのおつれあいの今年の作品は、何かもう毎度おなじみの…、という感じになってきた中世西欧風の森、家(とその扉)、女、犬、そしてそれを照らす満月。なつかしくも、しかし、このたびもまたぴかぴかの新品の満月が世界を照らしています、というような絵でした。

Sさんのおつれあいの今年の作品は、これまた昨年までに引き続き…、というような感じの砂漠に埋もれかけている石の家という空間(というよりは平面と言うべきか?)なれど、今年は特にその家がもはや断片化していて、世界の崩壊感覚の深度を感じました。

今回、特に独立展のいくつかの作品に、戦争が近づいているという予感を思わせるような画面がありました。アーティストはやはり時代に敏感なのでしょう。

一昨年だったでしょうか、二紀展注目の新人として登場した柏木健佑さん(ここからはイニシャルではありません^-^;)は、今年はちょっと作風を変えて、和風細密画はやめてなんだか不可思議な世界を創るということだけを狙った作品を出されました。まだまだこの先があるのでしょうが、今回は“間奏曲”風の作品だったのかも知れません。小池光歌集『思川の岸辺』と同様に…??

もともと、柏木さんの和風細密画手法は、独立展の斎藤吾朗さんのような方が長く手がけてきたものでした。もちろん、この次元ではパクリだからいけないなどということは何ひとつありません。今年の斎藤吾朗さんの作品は、神無月の出雲大社に全国から諸々の神さまが(バスや電車や籠で)集結するという楽しい題材の作品でした。柏木さんはもうちょっとシュールな所へ行きたいひとなのでしょうから、描き方の手法はもっと広い範囲で模索できるのだろうな、とも思いました。

独立展では、たぶん柏木さんの作品に刺激されたのであろうと思われるような、昨年までの彼の手法を追うような作品も二、三見かけました。新しいことを始めたひとというのは、いろいろと大変なんでしょうね。短歌人の鈴木杏龍さんも、彼女のオリジナルのラップ短歌(と僕は勝手に名付けているのですが)を追う者が現れたら、さらに次のステージへ、とうながされるのだろうか。まあ、「私は別に競争しているわけじゃないのよ」と言えば、それまでなのかも知れませぬ。


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