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2026年10月10日23:13

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黒木雪音@清瀬けやきホール

このところよく名前を見かけるピアニスト。
ひょんなことから招待券を入手できたので行ってみることにした。
清瀬までは自宅最寄駅からバス一本で行けるし。

黒木雪音:ピアノ

01.リスト:エステ荘の噴水(巡礼の年 第3年 より)
02.ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ 第23番 ヘ短調 Op.57 『熱情』
<休憩>
03.スクリャービン:ワルツ 変イ長調 Op.38
04.ショスタコーヴィチ:ピアノ・ソナタ 第1番 Op.12
05.カプースチン:8つの演奏会用練習曲 Op.40
<アンコール>
06.リスト:愛の夢 第3番 変イ長調

マニアックなプログラムだ。
前半はともかく、後半が…。

『エステ荘の噴水』は出だしの高音がキラキラしている。
印象派の先駆けとなる水の表現。それを上手く表出していたと思う。

ベートーヴェンの『熱情』はケレン味なく弾き切った。
低音がガッツリ鳴っている。しかし荒っぽくは感じない。ただ勢いに任せて、という感じがしないでもない。それは若さということかもしれない。今はそれでいいのだろう。無難にこなすよりはよっぽどいい。
第2楽章の繊細さは素敵だ。

後半はロシア(ないしはソ連)シリーズ。
まずはスクリャービン。まだロマン派的耽美志向が強い曲。
音に雑味があると締まらないが、そんな心配は無用だった。

ショスタコーヴィチのソナタは知られているとは言えない。
彼にとっての戦争ソナタだと彼女は言っていた。なるほど、シリアスな内容だ。低音の激しい打鍵が印象的。
各地で戦争が起こっている今、より説得力を持つ。そんな演奏だった。心を揺さぶられる。
技術的にも相当難しそうだ。

カプースチンを実演で聴くのは初めて。
ジャズっぽいのでリラックスして聴いてください、と彼女は言っていたが、超絶技巧で突っ走るので、リラックスどころではない。
練習曲だからね。難しいんだよ、きっと。聴いているだけでもわかる。スリリングだ。
もちろん技巧は安定している。存分にピアノを鳴らしている。いい意味でのヴィルトゥオーゾ・チューン。ワクワクしながら聴けた。得意にしているのだろうな。

アンコールはリストの『愛の夢』でクールダウン。
聴いたのは久しぶり。
繊細で美しい音で丁寧に弾いていた。いい演奏だった。

きらびやかで繊細な音色を持っている。特に弱音が美しい。
打鍵は強いが、低音も濁らない。
すでに自分の音を持っているようだ。

後半の最初にMCがあったのだが、演奏とは逆にほんわかした雰囲気。
そのギャップも良い。
弾いているときにボブの髪が揺れる、というか跳ねるのがカッコいい。

お辞儀の深い雪音嬢であった。

清瀬のけやきホールは2回目。
今日は招待ということで、後ろの方の席。しかしどこからでも見やすい設計になっていて、全く問題なかった。
なかなかいいホールだ。
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