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2026年10月03日07:51

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エルモア・レナード『スティック』と『グリッツ』(文春文庫)を読みました

エルモア・レナード『スティック』と『グリッツ』(文春文庫)を読みました。
作者は小説家であり、私は『ビッグ・バウンス』(新潮文庫)を読んでいます。
作品はどちらも1980年代の出版であり、『スティック』はタイトルに取られている主人公スティックが刑務所を出所し、ムショ仲間の誘いでフロリダ州マイアミへ向かいます。マイアミで、高額報酬の怪しげな荷物の運搬を任されますが、突然銃撃戦のトラブルに巻き込まれ、誘ってくれた友人は殺害されてしまいます。その後、ひょんなことから大金持ちのギャングの運転手として雇われたスティックが、復讐と一攫千金を狙って麻薬売人たちと丁々発止のやり取りをします。
『グリッツ』は打って変わって警官が主人公です。刑事のモーラは、チンピラに撃たれた傷のため、プエルトリコで療養休暇を送っていました。親しくなった娼婦のアイリスが、カジノの街アトランティック・シティへ渡った直後に高層ビルから墜落死します。他方、プエルトリコではモーラが過去に刑務所へ送り込んだ執念深い小悪党テディ・マジックが、復讐の機会を狙ってモーラを尾行します。モーラはアイリスの死の謎を解くため、ネオンきらめく安ピカな賭博の街へと飛びます。
『ビッグ・バウンス』も同じだったのですが、特に凝ったプロットの小説ではありません。芥川賞の「ゾンビ回収婦」について、私はストーリーは停滞する、と評しましたが、そこまでの停滞はないものの、ストーリーやプロットを追うのではなく、登場人物の交わす軽妙は会話、「レナード・タッチ」と呼ばれるらしいテンポいい会話やとぼけたユーモアを楽しむ小説だと思います。両方の作品とも文庫本のサイズとはいえ、その昔のポイントの小さな活字で400ページを超えるボリュームですが、軽快に読めます。たぶん、私の感触では日本語の邦訳もいいのですが、可能であれば英語の原書を読めばもっと楽しめそうな気がします。
その意味で、サリンジャーの『キャッチャー・イン・ザ・ライ』あるいは『ライ麦畑でつかまえて』に似たところのある小説です。逆にいうと、ドンパチのアクションも含めてスリリングな展開を期待する向きには評価されないかもしれません。でも、私にはいい読書でした。

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