mixiユーザー(id:68108846)

2026年09月16日07:32

41 view

瀬尾まいこ『ありか』(水鈴社)を読みました

瀬尾まいこ『ありか』(水鈴社)を読みました。
著者は、小説家であり、本書は2026年本屋大賞7位となっています。
主人公は飯塚美空、20代半ばで工場に勤務し、幼稚園児のひかりとの母子家庭です。ひかりはこの小説の中で保育園の年中さんから年長さん、そして、小学校に進学します。
飯塚奏多とできちゃった婚しましたが、結婚生活2年ほどで夫の浮気を理由に離婚して、今はシングルマザーとなっています。元夫の実弟、美空から見れば義弟の飯塚颯斗がとってもマメに育児や家事を手伝いに来てくれます。毎週水曜日は颯斗がひかりを保育園にお迎えに行き、そのまま美空の家で夕食となるのがルーティンです。いっしょに3人でクリスマスや誕生日を祝ったりもします。
保育園児のひかりは素直でのびのびと育っています。颯斗は年上の男性と同棲しているLⒼBTQだったりしますが、親にはカミングアウトしていません。保育園のそらくんのママ友の三池さん、職場の同僚で年配の宮崎さんなどとともに、しっかりと人生を送っています。
しかし、美空の母親、彼女も金遣いの荒い夫と離婚して、シングルマザーとして美空を育ててくれたのですが、この美空と母親の親子関係がやや生活に影を落とします。美空が20代半ばで、母親も50代前半の年齢という設定で、母親は生活費に窮して美空に無心しますが、颯斗はキッパリと断るべき、という意見です。あらすじはここまでとします。
はい、このあたりから、瀬尾まいこの小説を読んでいたつもりが、町田その子の小説と間違えたのだろうか、という勘違いすらしました。とても重い雰囲気の小説になっています。この作者の小説は、それほどどんでん返しはありませんが、最後に近づくにつれて、何か大きな「ちゃぶ台返し」が待っているのではないか、と思いつつ読み進んだりしました。実際に、どんでん返しがあるかどうかは、読んでみてのお楽しみです。
最後の最後に、私が数年前まで公務員をして働いていた東京に対して、関西圏、特に今住んでいるところは関西は関西でも京阪神ではなく、県庁所在市ですらありませんから、やや東京の考えやスタイルにタイムラグを持っている印象があります。さすがに、最新ファッションや流行語なんかはタイムラグ短く伝わるような気がしますが、例えば、マンションのオートロック、ダブルでオートロックになっているマンションは東京ではめずらしくありませんでしたし、実際に、我が家はそういったダブルのオートロックにマンションに住んでいましたが、引越しで家探しをしていた経験から、関西圏では京都市内ですらそういったダブルのオートロックのマンションは見かけませんでした。
この小説に即していえば、三池さん、そらくんママのサングラスにそういったものを感じます。1980年代後半バブル経済期の東京では、すでにサングラスには何の偏見めいた見方もありませんでしたが、40年を経て、関西圏在住の作者にはサングラスに対する偏見とまではいいませんが、少し派手めのファッションと組み合わせて、サングラスにやや特殊な役割を期待するようなところが感じられます。はい、私は町中を歩いていてもフツーにサングラスをするのですが、たしかに、関西の片田舎では東京と比べると、異常なくらいにサングラス着用者は少ない気がします。

1 0

コメント

mixiユーザー

ログインしてコメントを確認・投稿する