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2026年09月04日08:33

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小林和樹『兵庫県知事問題 失敗の本質』(ちくま新書))を読みました

小林和樹『兵庫県知事問題 失敗の本質』(ちくま新書))を読みました。
著者は、NHKのジャーナリストですが、東京都知事選挙や兵庫県知事選挙があった2024年には退職しているようです。
まず、タイトルにある「失敗」とは誰の失敗なのか、選挙で示された兵庫県民の選択の失敗なのだろうと私は考えていたのですが、読み進んでいるうちに、何と、斎藤兵庫県知事ご本人をはじめとして、知事への告発文書を出した西播磨県民局長、こういった一連のニュースを報じた主としてオールドメディア、などなど、きわめて多くの関係者の失敗を指しているようです。ちょっと、メディアのジャーナリストとしての見識を疑いましたが、NHKの記者が長いのが原因かもしれません。
私は兵庫県民ではありませんし、海外生活の6年間を含めて70年近い人生のうちの80パーセントあまりは京都府民と東京都民でした。10パーセント足らずが海外生活、同じく10パーセント足らずが千葉県民と長崎県民であって、兵庫県民はもちろん、隣県の大阪府民の経験もなく、2024年の兵庫県知事選挙は横目で見ていただけで、それほどの情報は持ち合わせませんが、結果についてはびっくりしたのが実情です。
2012年の第2期安倍内閣のころから「勝者総取り」で、権力者は法の支配から別枠になって、何をしても許容される状態になったピークが兵庫県知事選挙のころだったと考えています。加えて、私自身はメディアが権力と適切な緊張感ある距離を保つことなく、その昔の「大本営発表」のたれ流しに近づいているという危機感を感じており、現在の高市内閣でさらに強まっていると危惧しています。
ひとつには、役所などにおける排他的な記者クラブ制度に既存メディアが安住しているというのもあります。特に、NHKについては2014年からの籾井会長の任期中に、報道ではない放送、あるいは、政府のプレスリリースの配信の傾向が強まったと考えています。実に嘆かわしいことに、ほぼ時を同じくして2014年の朝日新聞による吉田調書誤報も生じ、既存メディアの中でもっとも権力との緊張感が高かった新聞のひとつである朝日新聞がその緊張感を薄れさせていったと感じています。
少なくとも、この兵庫県知事問題については、告発者が西播磨県民局長ですから、それなりの権力者だったのは事実ですし、私はそれほどの情報を持ち合わせませんが、本書で指摘するよう「怪文書に近い」というのも事実とは受け止めています。
しかし、メディアの報道姿勢として、権力サイドのプレスリリースをそのまま流すのではなく、権力者ならざる人々に対して綿密な取材を行って真実を見極める点が重要です。
本書に、書かなかったこと、すなわち、報じなかったことは事実ではないからである、という下りがありますが、権力者の側ではエビデンスなしに繰り返し強く主張すれば、事実であるかのように報じられる場合があります。これは、よく知られている通り、ナチスのゲッベルスの方法論です。同じことが、一部のSNSなどで見られます。それに対抗するのは、オールドメディアでは綿密な取材、ということになります。
繰返しになりますが、2024年兵庫知事選挙の失敗とは、県民の選択の誤りであり、それを引き起こしたメディアにも大きな責任があると考えるべきです。

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