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2026年09月02日07:25

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加藤真也『この1冊でミクロとマクロが同時にわかる経済学』(かんき出版)を読みました

加藤真也『この1冊でミクロとマクロが同時にわかる経済学』(かんき出版)を読みました。
著者は、名城大学経済学部教授であり、同時に、内閣府経済社会総合研究所の客員主任研究官も務めています。私が定年退官した時の職場であり、そのラインからご寄贈いただきました。まさか、とは思いましたが、表紙を見てミクロ経済学とマクロ経済学が同時に解明されたモデルが提示されているのか、と誤解してしまいました。
本書は3部構成であり、第1部で経済全体の循環とともに個別分散的な市場の役割を概観した後、第2部ではマクロ経済学、第3部ではミクロ経済学を中心に据えて解説しています。マクロ経済学ではとても現代的な解釈で、財政政策なんかを取り上げて基本的に需要がGDPを規定する、ということになっています。
私の歴史観では、先進国だけで途上国は別でしょうが、戦後から1970年代くらいまでは供給がGDPを決めていて、1970年代以降に需要がGDPを決める世界が出てきた、と考えています。戦後すぐのころは松下幸之助流にいう「水道理論」であって、作れば作るだけ売れる時代がありました。そして、1950年代から60年代の高度成長が終わって、1970年代に石油危機があり、固定為替相場制をひとつの要素としていたブレトン-ウッズ体制が終焉し、供給能力が需要を上回るがために需要がGDPを決める、という現代的な時代が始まっています。
経済学の初学者、あるいは、経済学以外の学問領域を専攻する学生を相手にする場合、こういった広い領域をカバーするテキストはとても有効です。その昔は、私はマンキュー先生の『入門経済学』、たぶん、第3版あたりをオススメしていました。ミクロとマクロだけでなく、長期と短期に分けた解説をしていたテキストです。その後、現在の立命館大学に着任してから、アセモグル/レイブソン/リスト(ALL)『入門経済学』をオススメすることが多くなっています。本書も、場合によってそういった経済学の初学者や他学部の学生に勧める経済学入門書的なテキストの候補になるかもしれません。
ちなみに、私が学生だったころの経済学の入門書といえばサムエルソン先生の『サムエルソン経済学』でした。どうでもいいことながら、最近2025年3月に、学文社から『初版 サムエルソン経済学』という本が出版されています。大学の図書館で見かけました。
その昔は、このテキストのバージョンによってエコノミストの世代が判るようになっていました。私の場合は原書第10版であり、当然のことながら、上下巻のハードカバーで箱入り、岩波書店から出版されていました。私が知る限り、ノードハウス先生が共著者に入った第13版、1992年93年出版が最後ではないか、という気がします。大学の図書館を調べた範囲でもそうです。私が持っているのとはバージョンが3版違いますので、10-15年の違い、という気がします。

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