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2026年08月09日07:32

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伊坂幸太郎ほか『プレゼント』(新潮文庫)を読みました

伊坂幸太郎ほか『プレゼント』(新潮文庫)を読みました。
著者は、実に高名な小説家7人であり、本書は新潮文庫50周年企画のアンソロジーです。「夏」を共通テーマとしています。
収録作品は順に、まず、伊坂幸太郎「ウッドペッカー荘事件」はSFテイストの作品であり、ワトソン役の主人公はいままで名探偵である白河ヨフネが解決してきた難事件を発表してきて、5つめが「BB湖事件」でしたが、最新の6件目の事件、ホテルの名を取って、タイトル通りの「ウッドペッカー荘事件」について、世に出すかどうかを迷っています。続いて、江國香織「二つの宇宙」では、人見知りが激しくて、こだわりも強く、ディズニーのプリンセスの中でベルの順位を気にするおばあちゃんが、これまた少し変わったところのあり、カポーティの『冷血』が好きで英文科に入ったガールフレンドと会うことになる大学生だったころの夏の思い出です。
続いて、宮部みゆき「真実のトランク」は、弟の経営するバーで働く50代女性の主人公が20代のころを回想して、財団の渋い中年男性がバーに置いていったトランクをめぐるオカルチックなストーリーです。続いて、町田そのこ「きっとあの日の光と同じ」は、「コンビニ兄弟」シリーズのスピンオフ作品であり、親友にカノジョができた高校年生の夏、主人公は中学校のころの同級生と出会って、花火を楽しみます。
続いて、米澤穂信「無明」では、猛暑だか酷暑だかの夏8月に、新宿駅でまだ若い母親が赤ん坊の首を絞めて殺そうとする殺人未遂事件が起こります。どうしてそのような犯行に及んだのかのwhydunnitの謎解きをする社会派ミステリです。続いて、梨木香歩「見越しのマツ」では、離婚して女性が実家に戻り、斜向かいの豪邸にマツの木が見えます。しかし、その豪邸のご亭主がなくなり、お屋敷が更地になります。
続いて、恩田陸「伝説の季節」では、高校2年生だった主人公が卒業式に高3の卒業生からシンプルな形の古い鍵を渡され、その年のサヨコとなり、高校3年生になって受験勉強に忙しい夏に、高校に伝わる伝統を担う役回りとなります。
それぞれに、特徴ある文体やさまざまなプロットが楽しめる極上のアンソロジーです。私はエコノミストとして、社会派ミステリの「無明」をイチ推しとします。

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