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2026年08月08日08:08

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J.D. サリンジャー『彼女の思い出/逆さまの森』(新潮文庫)を読みました

J.D. サリンジャー『彼女の思い出/逆さまの森』(新潮文庫)を読みました。
著者は、グラース家サーガや、何といっても、『キャッチャー・イン・ザ・ライ』で有名な小説家です。
作家ご本人には従軍歴があり、第2次大戦中のノルマンディー上陸作戦にも参加しているそうで、そういった経験も取り入れた短編集となっています。サリンジャーの初期短編集であり、20代のころの作品が中心です。なお、邦訳は金原瑞人教授による新訳です。
収録短編のタイトルだけを列挙すると、表題作のひとつの「彼女の思い出」から始まって、「ヴァリオニ兄弟」、「すぐに覚えます」、「おれの軍曹」、「ボーイ・ミーツ・ガールが始まらない」、「新兵に関する個人的な覚書」、「ブルー・メロディ」、そして、最後は表題作のひとつである「逆さまの森」となり、これだけは短編というよりも中編くらいのボリュームで120ページ余りあります。
収録されていたのは、Saturday Evening Post や Cosmoppolitan あるいは Esquire などであり、ブラックユーモアというか、独特のシニカルな見方が随所で示されている一方で、とても軽やかな会話が交わされていたりして、原文と邦訳のクオリティの高さが感じられます。
ただ、どうしても1940年代の執筆作品ですから、中には人が死ぬ場面も少なくありません。人が死ぬ小説は私はそれほど好きではないのですが、時代背景としてやむを得ないものがあります。また、その後の1950-60年代の米国映画の場面を見ているような作品も少なくありませんでした。
私のようにサリンジャーのファンであれば読んでおくべきかと思います。

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